トランプル
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トランプル/Trample
トランプルは戦闘ダメージの割り振りを変更する常在型能力である。 トランプルを持つクリーチャーが戦闘ダメージを割り振るとき、そのブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振るのであれば、残りのダメージを攻撃した先の防御プレイヤーやプレインズウォーカーに割り振ってもよい。
どの色にも存在するが、特に緑に多く存在し、トランプルを与えるカードもほとんどが緑である。 ゲームでは、ダメージがブロック・クリーチャーを貫通して防御プレイヤーに与えられるようなイメージとなる。 そのため、タフネスの小さいクリーチャーでブロック(チャンプブロック)してもあまり効果が無いのだ。 しかし、あまりにも複雑なルールのため、第6版、第7版、第8版、と基本セットに採録されなかった時期があった。 とはいえ、感覚的には分かりやすいものなので問題ないと判断されたのだろう、第9版でプロテクションとともに復活している。
- トランプルとは「踏み荒らす・蹂躙する」と言う意味。
- ブロック・クリーチャーすべてに致死ダメージを割り振ることは義務ではない。
防御プレイヤーにダメージを割り振らないのであれば、戦闘ダメージを(通常どおり)どのように割り振ってもかまわない。少しだけ割り振ってもよい。
数字の上で致死ダメージが割り振られていさえすればよい。
- すなわち、プロテクションをもつクリーチャーでブロックしても、プレイヤーへのダメージを減らせるのは(通常)そのクリーチャーのタフネスまで、ということになる。
間違えやすいので注意すること。
- ダメージを増加させるような置換効果(ラースの灼熱洞/Furnace of Rathなど)があっても、トランプルでの戦闘ダメージの割り振りに考慮することはできない。
- トランプルを持つクリーチャーがブロックされ、なおかつそのブロック・クリーチャーが場に存在しないならば、すべての戦闘ダメージは防御プレイヤーに割り振られる。
- プレイヤーに割り振ったダメージを、クリーチャーへのダメージを軽減する効果で減らすことはできない。
ダメージが「貫通」するイメージではあるが、ルール上はあくまで割り振りが変わっているというだけである。
- 「致死ダメージ」は、既に受けているダメージについても考慮する。
既にいくらかのダメージを受けているクリーチャーにブロックされた場合、致死ダメージに達する分だけクリーチャーに与えればよい。 一方ブロックする側としては、すでにブロッククリーチャーに与えられたダメージを取り除くことで、本体に通るダメージを減らすこともできることになる。
- バンドや、複数の攻撃クリーチャーをブロックできるクリーチャーなどによってトランプルを持つクリーチャーと持たないクリーチャーが同じクリーチャーでブロックされた場合、トランプルによる防御プレイヤーへのダメージを多くするように割り振ってよい。
- たとえば、「2/2・バンドを持つクリーチャー」と「5/5・トランプルを持つクリーチャー」がバンドを組んで攻撃し、「3/3・クリーチャー」にブロックされた場合、攻撃側は……
● 「2/2・バンドクリーチャーが与える2ダメージ」と「5/5・トランプルクリーチャーが与える1ダメージ」をクリーチャーに割り振り、4ダメージをプレイヤーに割り振る。 ● 「5/5・トランプルクリーチャーが与える3ダメージ」をクリーチャーに割り振り、2ダメージをプレイヤーに割り振り……「2/2・バンドクリーチャーが与える2ダメージ」は普通にクリーチャーに割り振る。 のどちらを行なっても適正である(普通は前者だろうが)。
- ウルザズ・サーガでルールが大きく変わった能力。
それ以前のトランプルは、おおざっぱにいうと現状の「まず全ブロッカーに致死ダメージ割り振り」という点がない代わりに、「全ダメージを一度クリーチャーに割り振らなければならない。 その後クリーチャーを倒したあとで余剰分がそのまま本体に再割り振り」という感じだった。 そのため複数ブロッカーがいても、最弱タフネスのクリーチャーに全ダメージを割り振って、他のブロッカーを無傷のまま相手本体にダメージをねじ込めた。 つまり、多数のブロッカー相手にする分には以前のルールの方が貫通させやすい。 逆に、プロテクション持ちなどには弱かった(クリーチャーに割り振った全ダメージが軽減されてしまうので、貫通が発生しない)。
- ラースの灼熱洞/Furnace of Rathがルール変更の原因の1つ。
上記した「余剰分を再割り振り」している点が争点で、「割り振り時にダメージが2倍」となる灼熱洞の効果が2回適用されてしまい、多くの場合、通すよりもブロックした方がダメージが大きくなってしまうという問題が起きていた。
参考
総合ルール
引用:総合ルール 20231117.0
- 5 ターンの構造