ゴーゴスの酒杯/Golgothian Sylex
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ゴーゴスの酒杯/Golgothian Sylexは、ドミナリア/Dominariaのアーティファクト。カードとしてはアンティキティーのGolgothian Sylexが初出。
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[編集] 解説
ドミナリア/Dominariaの歴史にたびたび登場する強大な力を持つアーティファクト(イラスト1、イラスト2)。出自、呼び名、逸話、そしてその終焉については矛盾した複数の物語が存在しており、真実は歴史に埋もれてしまっている[1][2]。
[編集] ゴーゴスの酒杯/Golgothian Sylex
古代スラン/Thranで作られたアーティファクト[3]。フェルドン/Feldonが研究していたが、ゴーゴスという地名には聞き覚えはないという。
兄弟戦争/Brothers' Warの過程でウルザ/Urzaの手に渡り、64ARのアルゴス/Argoth最終決戦で起動された。その破滅的な爆発(The Devastation)は戦争中の両軍を壊滅させ、アルゴスを海に沈め、ドミナリアの気候を変動させて氷河期をもたらした。さらにドミナリアは他の次元/Planeを巻き込んで多元宇宙/Multiverseから孤立した状態(シャード/The Shard)となる。
酒杯を起動するために特別な手順や呪文は必要ない。使用者を導管代わりとし大地の心へと繋がり、愛、苦しみ、喜び、恐怖、感情、そして記憶を一点へと流し込むことで起動する。ウルザは酒杯を手にした瞬間、この起動方法を理解した[4]。
ウルザが酒杯の力を解き放ち、The Devastation(大荒廃)をもたらす場面を描いた呪文であるウルザの殲滅破/Urza's Ruinous Blastのイラストにも描かれている。
- 兄弟戦争中にアシュノッド/Ashnodがゴーゴスの酒杯を研究して製作したのがAshnod's Cylix(アシュノッドの酒杯)。
[編集] Argivian Sylex(アルガイヴの酒杯)
フレイアリーズの世界呪文/Freyalise's World Spellによって氷河期とシャードは終焉する。しかし消えたはずの酒杯はRavidel(ラヴィデル)の手に渡り、氷河期の終わったドミナリアに戦乱をもたらすことになる。
最後はPlaneswalker War(プレインズウォーカー戦争)に至るラヴィデルとジャレッド・カルサリオン/Jared Carthalion達の決戦で、Rust(錆)の魔力を持つ剣によって破壊される。
[編集] サイリクス/The Sylex
ドミナリアの背景ストーリー[5]にて、カーン/Karnがムルタニ/Multaniの妨害を受けながらもヤヴィマヤ/Yavimayaの地中から発掘する。その目的は新ファイレクシア/New Phyrexia打倒のため。
- カーンの言では、サイリクスは「ウルザが打倒ファイレクシア/Phyrexiaのために作り上げたもの」と述べている。
団結のドミナリアのストーリーでも登場。こちらでは単に「酒杯」と訳されている。カーンはこれを起動するための方法を特定したが、とある人物の裏切りにより酒杯は破壊されカーンも攫われてしまう。
[編集] 金線の酒杯/The Filigree Sylex
オリジナルの酒杯は失われたものの、カーンはコイロスの洞窟/Caves of Koilosで発見した粘土板の写しを残しており、サヒーリ/Saheeliはそれを元に酒杯の複製に成功した。それこそが金線の酒杯であり、その形態にはカラデシュ/Kaladesh特有の金線の様式が混ざっている(イラスト)。
テフェリー/Teferiは兄弟戦争/Brothers' Warの時代へと転移し、失われた起動方法を明らかにした[6]。
プレインズウォーカー/Planeswalker達はこれを用いて新ファイレクシアの中枢に育つ次元壊し/Realmbreakerを破壊しようとしていた。しかし、既に次元壊しが多元宇宙/Multiverseと繋がってしまったことにより、起爆すれば他の次元/Planeにも被害が及ぶことが土壇場で明らかとなった。それでも起爆を望むジェイス/Jaceに対し、エルズペス/Elspethは起爆直前の酒杯を奪い取るといずこかへ消えていった。
[編集] その他
- 「Golgothian Sylex」はカード上で和訳されたことはない。ウルザズ・サーガ公式ハンドブックでは「サイリクス」と、マジック:ザ・ギャザリング オンラインプラスでは「ゴーゴスの酒杯」と訳された。タカラトミー公式サイト掲載の翻訳コラム「時(のらせん)の過ぎ行くままに」(サイト消失のためInternet Archive)でも「ゴーゴスの酒杯」を踏襲。ドミナリアの背景ストーリーでは単に「サイリクス/The Sylex」だったが、兄弟戦争の製品ページ「あらすじ」にて「ゴーゴスの酒杯」表記に戻る。その後兄弟戦争ストーリーにて正式に「ゴーゴスの酒杯」と訳された[1]。
- "Golgothian"はゴルゴダ(Golgotha)の捩り。綴りが「Go"r"goth」ではなく「Go"l"goth」であることからも「ゴルゴス」と読む方が妥当とする意見もある。
- マジック史上、最も有名な歴史あるアイテムの1つであるため「受難の杯」などの同人訳も複数存在している。
- "Sylex"は古代に使われていた鉢のこと。"Cylix"と同じ意味だが、古い言葉であるためこの他にも様々な綴りがある。開発部はエキスパンションごとに別の綴りのカードを作成しようと目論んだらしいが、結局"Cylix"に統一されている(マナの大鉢/Mana Cylix)。
[編集] 登場
[編集] 脚注
- ↑ 1.0 1.1 The Brothers' War | Episode 5: As Cruel, As Necessary/メインストーリー第5話:冷酷に、必然の運命に(Magic Story 2022年10月26日 Miguel Lopez&Jeff Grubb著)
- ↑ @EthanFleischer(Ethan FleischerのTwitter)
- ↑ The Legends of Time Spiral(Daily MTG 2006年11月13日 Brady Dommermuth著)
- ↑ The Brothers' War | Episode 5: As Cruel, As Necessary/メインストーリー第5話:冷酷に、必然の運命に(Magic Story 2022年10月26日 Miguel Lopez、Jeff Grubb著)
- ↑ Return to Dominaria: Episode 9/ドミナリアへの帰還 第9話(Magic Story 2018年5月9日 Martha Wells著)
- ↑ Episode 5: A Whisper in the Wind/メインストーリー第5話:風の中の囁き(Magic Story 2022年8月18日 Langley Hyde著)