先制攻撃
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先制攻撃/First strike | |
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種別 | 常在型能力 |
登場セット | 多数 |
CR | CR:702.7 |
先制攻撃(せんせいこうげき)/First strikeは、マジック初期から存在するキーワード能力。クリーチャーが持つ、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)(これを唱える際に、クリーチャー1体を対象とする。このカードはそのクリーチャーにつけられている状態で戦場に出る。)
エンチャントされているクリーチャーは先制攻撃を持つ。(それは先制攻撃を持たないクリーチャーより先に戦闘ダメージを与える。)
[編集] 定義
戦闘ダメージ・ステップの開始時に、少なくとも1体の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが先制攻撃か二段攻撃を持つ場合、先制攻撃か二段攻撃を持つクリーチャーのみがそのステップで戦闘ダメージを与える。
そのステップ後、戦闘終了ステップに進む代わりに、戦闘フェイズは第2戦闘ダメージ・ステップを得て、残りのクリーチャーからのダメージを処理する。第2戦闘ダメージ・ステップの間には、以下のいずれかの条件を満たした攻撃クリーチャーとブロック・クリーチャーのみがダメージを与える。
- 最初の戦闘ダメージ・ステップ開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかった
- 第2戦闘ダメージ・ステップの時点で二段攻撃を持っている
このステップの後、戦闘終了ステップに進む。
[編集] 解説
[編集] ルール
要するに、先制攻撃(や二段攻撃)を持たないクリーチャーより先に戦闘ダメージを与えられる能力である。
しかし、実際の流れは少し複雑。先制攻撃(か二段攻撃)を持つクリーチャーが攻撃かブロックに参加している場合、追加の戦闘ダメージ・ステップが新たにできる。その新しくできた戦闘ダメージ・ステップでは、先制攻撃(や二段攻撃)を持つクリーチャーのみ戦闘ダメージを与え、通常と同様に処理される。その後、残りのクリーチャーのための戦闘ダメージ・ステップが行われる。
なお最初の戦闘ダメージ・ステップの後の優先権を得たときに先制攻撃を持っていないクリーチャーに先制攻撃を与えた場合、通常のクリーチャーと同様に第二の戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージを与えることになる。戦闘ダメージを一度も与えられなくなったり、第三の戦闘ダメージ・ステップが発生したりするようなことはない。同様に、第一戦闘ダメージ・ステップの後で先制攻撃を失ったとしてもクリーチャーが第二の戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージを割り振ることはない(同時に二段攻撃を持つ場合を除く)。
[編集] 歴史
- 最初期から存在する、由緒正しい基本的な能力で、常磐木能力のひとつに数えられる。
- レギオンで派生キーワードとして二段攻撃/Double strikeが登場した。先制攻撃と戦闘の流れにおいて共通の処理を行う部分が多くある。二段攻撃の項も参照のこと。
- 一時期、先制攻撃の特殊な形として「先制攻撃(攻撃時のみ)/First strike when attacking」が定義されていたことがある。これは現在では廃止されて、普通のテキストに変更されている。
- オラクルでは当初、攻撃参加時に誘発して戦闘終了時まで先制攻撃を得る誘発型能力だったが、2008年2月と7月に、攻撃クリーチャーである間だけ先制攻撃を持つという常在型能力に変更された。元のニュアンスに戻ったといえよう。
- 実際にこれを持っていたのは夜のスピリット/Spirit of the Night、アーボーグのプーラージ/Purraj of Urborg、サルタリーの槍騎兵/Soltari Lancerの3体。
- 時のらせんブロックでは先制攻撃と対になる後制攻撃/Last strikeなるキーワード能力が検討され、さらに先制/通常/後制の三回戦闘ダメージを与える三段攻撃/Triple strikeもテストされたが、戦闘フェイズのルールが非常に複雑になることからボツとなった。これらのキーワード能力は後にアン・セットのUnstableで拾われ、とてつもなく遅いゾンビ/Extremely Slow Zombie、三頭ゴブリン/Three-Headed Goblinが登場した。Unfinityでもハットトリック/Hat Trickが登場している。
- カラデシュで再生から破壊不能付与へと除去耐性が代替わりしたことで割を食った能力の一つ。先制攻撃持ちと再生持ちが戦闘する場合、先制攻撃持ちの戦闘ダメージが再生持ちのタフネスに勝れば戦闘から取り除かれるため打ち負けることはなかったのだが、破壊不能相手ではそのまま第二戦闘ダメージ・ステップで戦闘ダメージを受けてしまう。
- Unfinityでは名前の条件を満たすと先制攻撃を持てるアルファストライク/Alpha Strikeが登場した。いずれもアン・カードであり、トーナメントでは使用できない。アルファストライクの項も参照のこと。
[編集] その他
- 致死ダメージを与えるだけのパワーさえあれば相討ちせずに一方的に打ち勝てるため、パワーの高いクリーチャーとこの能力との相性は非常に良い。
- あくまで戦闘ダメージ・ステップにのみ有効な能力。格闘を行なう際などには機能しない点に注意。
- 圧倒的に白に多く、次いで赤。青と緑にはあまり存在しない。イメージとしては、赤は素早い攻撃、白は弓や槍などの遠距離攻撃。
- 黒にも少数存在するが、ほとんどが白と対の騎士である(白騎士/White Knightに対する黒騎士/Black Knightなど)。
- 赤の火力や白のレンジストライクと合わせることでより大きなクリーチャーを一方的に討ち取るのも、リミテッドでは有効なプレイングの一つ。
- 機動力を表すキーワード能力としては他に速攻、瞬速、側面攻撃などがある。慣れないうちは混同に注意しよう。
- 先制攻撃持ちのブロッカーは戦況を硬直させやすいため、開発部は低レアリティのカードに付けることに慎重な姿勢を見せている。
- ラヴニカのギルドの初々しい補充兵/Fresh-Faced Recruit以降は、自分のターンのみで働く先制攻撃持ちを増やすことで硬直化を防いでいる[1]。
[編集] 脚注
- ↑ Is First Strike Going Away? | Magic: The Gathering Phyrexia All Will Be One MTG Design(Youtube 2023年2月14日 Gavin Verhey)
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 702 キーワード能力
- 702.7 先制攻撃/First Strike
- 702.7a 先制攻撃は、戦闘ダメージ・ステップのルールを変更する常在型能力である。rule 510〔戦闘ダメージ・ステップ〕参照。
- 702.7b 1体以上の攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーが、戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃や二段攻撃(rule 702.4 参照)を持っていた場合、そのステップに戦闘ダメージを与えるのは先制攻撃か二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後に、戦闘終了ステップに進む代わりに、第2戦闘ダメージ・ステップが発生する。このステップに戦闘ダメージを割り振るのは、最初の戦闘ダメージ・ステップの開始時に先制攻撃も二段攻撃も持っていなかったか、この時点で二段攻撃を持っているクリーチャーだけである。そのステップの後で、戦闘終了ステップに移行する。
- 702.7c 第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージを与えた後で先制攻撃を持たないクリーチャーに先制攻撃を持たせたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えなくすることはできない。第1戦闘ダメージ・ステップの戦闘ダメージを与えた後で先制攻撃を持つクリーチャーから先制攻撃を取り除いたとしても、第2戦闘ダメージ・ステップに戦闘ダメージを与えることはできない(二段攻撃を持つ場合を除く)。
- 702.7d 1体のクリーチャーに複数の先制攻撃があっても効果は変わらない。
- 702.7 先制攻撃/First Strike
- 702 キーワード能力