不正な対象
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'''不正な対象'''/''Illegal Target''とは、[[呪文]]や[[能力]]の[[対象]]が、その呪文や能力が求める条件に合致していなかったり、存在すらしていなかったりすること。「不正」と同じ意味で「不適正」という訳語も[[総合ルール]]中にある。 | '''不正な対象'''/''Illegal Target''とは、[[呪文]]や[[能力]]の[[対象]]が、その呪文や能力が求める条件に合致していなかったり、存在すらしていなかったりすること。「不正」と同じ意味で「不適正」という訳語も[[総合ルール]]中にある。 | ||
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何らかの理由([[唱える]]、[[起動]]する、[[誘発型能力]]を[[スタック]]に置く、[[対象の変更]])で対象を指定する必要がある場合、不正な対象を指定することはできない。呪文や能力の対象を指定する段階で、[[プレイヤー]]のミスにより不正な対象を対象に指定した場合、その呪文を唱える唱えたり能力を起動したりする前の状態に[[巻き戻し|巻き戻される]]。 | 何らかの理由([[唱える]]、[[起動]]する、[[誘発型能力]]を[[スタック]]に置く、[[対象の変更]])で対象を指定する必要がある場合、不正な対象を指定することはできない。呪文や能力の対象を指定する段階で、[[プレイヤー]]のミスにより不正な対象を対象に指定した場合、その呪文を唱える唱えたり能力を起動したりする前の状態に[[巻き戻し|巻き戻される]]。 | ||
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*例:呪文の対象として選んだクリーチャーがその呪文が解決される前に[[雲隠れ/Cloudshift]]によって[[追放]]されて再び[[戦場に出た]]。戦場を離れた時点でそれは対象として選んだ[[オブジェクト]]とは別のオブジェクトになっているので、呪文の解決時に、対象として選んだクリーチャーは戦場に存在せず呪文にとって不正な対象となる。 | *例:呪文の対象として選んだクリーチャーがその呪文が解決される前に[[雲隠れ/Cloudshift]]によって[[追放]]されて再び[[戦場に出た]]。戦場を離れた時点でそれは対象として選んだ[[オブジェクト]]とは別のオブジェクトになっているので、呪文の解決時に、対象として選んだクリーチャーは戦場に存在せず呪文にとって不正な対象となる。 | ||
− | + | 呪文や能力の効果のうち、不正な対象に何かをしたり何かをさせたりする部分は無視する([[マジックの黄金律#実行不可能な指示は無視する|マジックの黄金律]])。もし呪文や能力の対象が'''すべて不正な対象'''となった場合は、その呪文や能力は'''解決されず'''、スタックから取り除かれる([[立ち消え]])。 | |
;例1:対象を選び、かつ対象に対するものでない効果も持つ呪文 | ;例1:対象を選び、かつ対象に対するものでない効果も持つ呪文 |
2020年5月15日 (金) 03:47時点における版
不正な対象/Illegal Targetとは、呪文や能力の対象が、その呪文や能力が求める条件に合致していなかったり、存在すらしていなかったりすること。「不正」と同じ意味で「不適正」という訳語も総合ルール中にある。
解説
何らかの理由(唱える、起動する、誘発型能力をスタックに置く、対象の変更)で対象を指定する必要がある場合、不正な対象を指定することはできない。呪文や能力の対象を指定する段階で、プレイヤーのミスにより不正な対象を対象に指定した場合、その呪文を唱える唱えたり能力を起動したりする前の状態に巻き戻される。
呪文や能力の解決時にも、対象が適正かどうかチェックされる。対象となったときにあった領域に存在しなくなっている対象は、適正ではない。たとえば、その特性が変わっていたり、効果によって呪文の文章が変わっていたりするなど、ゲームの状況の変化によって適正でなくなっていることもある。能力の発生源が元あった領域から移動していた場合、この手順において最後の情報が用いられる。
- 例:呪文の対象として選んだ対戦相手のコントロールするクリーチャーがその呪文が解決される前に呪禁を得た。呪文の解決時に、そのクリーチャーは呪文にとって不正な対象となる。
- 例:呪文の対象として選んだクリーチャーがその呪文が解決される前に雲隠れ/Cloudshiftによって追放されて再び戦場に出た。戦場を離れた時点でそれは対象として選んだオブジェクトとは別のオブジェクトになっているので、呪文の解決時に、対象として選んだクリーチャーは戦場に存在せず呪文にとって不正な対象となる。
呪文や能力の効果のうち、不正な対象に何かをしたり何かをさせたりする部分は無視する(マジックの黄金律)。もし呪文や能力の対象がすべて不正な対象となった場合は、その呪文や能力は解決されず、スタックから取り除かれる(立ち消え)。
- 例2:対象が2つ以上あり、かつ対象に対するものでない効果も持つ呪文
- 対象となったクリーチャーが解決時に2体とも対象として適正であれば、それらを追放し、灰は灰にのコントローラーに5点のダメージが与えられる。
- 対象となったクリーチャーが解決時に1体だけ対象として適正であれば、その1体を追放し、灰は灰にのコントローラーに5点のダメージが与えられる。
- 対象となったクリーチャーが解決時に2体とも対象として不適正であれば、灰は灰には解決されない。2体のクリーチャーを追放することが行われないうえ、灰は灰にのコントローラーに5点のダメージが与えられることもない。
- 例3:対象が2つ以上あり、かついずれかが0を含む可変数の対象を取る誘発型能力が誘発したときの処理
- Yosei, the Morning Star / 明けの星、陽星 (4)(白)(白)
伝説のクリーチャー — ドラゴン(Dragon) スピリット(Spirit)飛行
5/5
明けの星、陽星が死亡したとき、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の次のアンタップ・ステップを飛ばす。そのプレイヤーがコントロールするパーマネントを最大5つまで対象とし、それらをタップする。
- 誘発時にプレイヤーとパーマネントのいずれも対象として適正であれば、それらを選択でき、スタックに置かれる。
- 誘発時にプレイヤーは対象として適正であるが、被覆を持つなどでパーマネントを一つも対象に取れない場合、プレイヤーのみを対象としてスタックに置く。「最大5つ」なのでパーマネントの対象が0体でも適正である。
- 誘発時に各プレイヤーが被覆を持つなどで対象に取れない場合、適正な対象を取ることができないため、スタックから取り除かれる。これはパーマネントが適切に対象に取れる状況であろうがなかろうが関係ない。
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 6 呪文、能力、効果
- 608 呪文や能力の解決
- 608.2 解決されるオブジェクトがインスタント・呪文やソーサリー・呪文や能力である場合、その解決はいくつかの手順に分かれる。rule 608.2a と rule 608.2b で記された手順を先に踏み、その後で rule 608.2c から rule 608.2k で記された手順を適切な順で行う。その後、最後に rule 608.2m と rule 608.2n に記された手順を行う。
- 608.2b 呪文や能力が対象を取る場合、その対象がこの時点でも適正かどうかを確認する。対象となったときにあった領域に存在しなくなっている対象は、適正ではない。たとえば、その特性が変わっていたり、効果によって呪文の文章が変わっていたりするなど、ゲームの状況の変化によって適正でなくなっていることもある。能力の発生源が元あった領域から移動していた場合、この手順において最後の情報が用いられる。すべての対象が、すべての対象群において、不適正になっていた場合、その呪文や能力は解決されない。それはスタックから取り除かれ、呪文であればオーナーの墓地に置かれる。そうでなければ、その呪文や能力は通常通り解決される。不適正な対象が存在する場合、それらはその呪文の効果のうちでその対象が不適正である部分には影響されない。効果のうち、それらの対象が不適正でない部分には影響されうる。呪文や能力がゲームのルールを変更する継続的効果を作る場合(rule 613.11 参照)、その効果は不適正な対象には適用されない。効果の一部が不正な対象についての情報を必要とする場合、その情報を決定することは失敗し、その情報を必要とする部分の効果は発生しない。
- 608.2 解決されるオブジェクトがインスタント・呪文やソーサリー・呪文や能力である場合、その解決はいくつかの手順に分かれる。rule 608.2a と rule 608.2b で記された手順を先に踏み、その後で rule 608.2c から rule 608.2k で記された手順を適切な順で行う。その後、最後に rule 608.2m と rule 608.2n に記された手順を行う。
- 608 呪文や能力の解決