ザンチャ/Xantcha

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===ザンチャが残したもの===
 
===ザンチャが残したもの===
ザンチャがウルザに教えた言葉、「無駄にするな。欲しがるな」というファイレクシアの信条は、ウルザが思っている以上にウルザの役に立ち、長きに渡って彼を支え、力づけた。セラの領土におけるザンチャからの指摘がキッカケで考え始めた「人工次元の欠陥」に関する推測も、セラの領土の崩壊という実証により、彼の中に別な新たな確信を生ませる。その確信とは「同じ人工次元であるファイレクシアも、何らかの欠陥によりいずれ訪れるだろう崩壊を激しく恐れている。[[ヨーグモス/Yawgmoth]]やファイレクシア人たちは、その崩壊の宿命から逃れるためになんとしても別の次元を侵略・移住しようとするハズだ!」という確信であった。この揺るぎない確信と根拠の元、ウルザはファイレクシアがドミナリアを狙う侵略戦争を起こすに違いないことを誰よりも強く意識し、来たるべき侵略戦争のため、あらゆる準備を始める。AR3285年に創立される[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]もそうしてウルザが行った侵略戦争への準備の一環である。「自分のように人間の皮膚を被ったファイレクシアの潜伏工作員たちが([[ケリック/Kerrick|自分の他にも]])どこにでも入り込んでいる」というザンチャがくれた情報は[[アカデミー/Academy]]での日々において、ウルザやアカデミーの関係者たち、生徒たちを守るための重要な警告となる。またこのアカデミー内において、ウルザはザンチャと発見した「仇敵ファイクイレクシア人と、自分の尊敬する古代スラン人は祖を同する民だ」という過去をくつがえすために”時空逆行実験”の研究も開始する。その研究の末、アカデミーにてウルザはザンチャの心臓を銀の[[ゴーレム]]に埋め込んだ。そうして生まれたのが[[カーン/Karn]]である。カーンはウルザだけではなく、周囲の者やドミナリアそのものを危機から幾度となく救う計り知れないほどの功績を行う。
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ザンチャがウルザに教えた言葉、「無駄にするな。欲しがるな」というファイレクシアの信条は、ウルザが思っている以上にウルザの役に立ち、長きに渡って彼を支え、力づけた。セラの領土におけるザンチャからの指摘がキッカケで考え始めた「人工次元の欠陥」に関する推測も、セラの領土の崩壊という実証により、ウルザの中に別な新たな確信を生ませる。その確信とは「同じ人工次元であるファイレクシアも、何らかの欠陥によりいずれ訪れるだろう崩壊を激しく恐れている。[[ヨーグモス/Yawgmoth]]やファイレクシア人たちは、その崩壊の宿命から逃れるためになんとしても別の次元を侵略・移住しようとするハズだ!」という確信であった。この揺るぎない確信と根拠の元、ウルザはファイレクシアがドミナリアを狙う侵略戦争を起こすに違いないことを誰よりも強く意識し、来たるべき侵略戦争のため、あらゆる準備を始める。AR3285年に創立される[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]もそうしてウルザが行った侵略戦争への準備の一環である。「自分のように人間の皮膚を被ったファイレクシアの潜伏工作員たちが([[ケリック/Kerrick|自分の他にも]])どこにでも入り込んでいる」というザンチャがくれた情報は[[アカデミー/Academy]]での日々において、ウルザやアカデミーの関係者たち、生徒たちを守るための重要な警告となる。またこのアカデミー内において、ウルザはザンチャと発見した「仇敵ファイクイレクシア人と、自分の尊敬する古代スラン人は祖を同する民だ」という過去をくつがえすために”時空逆行実験”の研究も開始する。その研究の末、アカデミーにてウルザはザンチャの心臓を銀の[[ゴーレム]]に埋め込んだ。そうして生まれたのが[[カーン/Karn]]である。カーンはウルザだけではなく、周囲の者やドミナリアそのものを危機から幾度となく救う計り知れないほどの功績を行う。
  
 
しかしたったひとつ、たったひとつ唯一の厄災にして最大最悪な絶望と悲劇の禍根があった。ザンチャの死から1000以上先の遥かな未来の[[ミラディン/Mirrodin]]、カーンの中で脈打つザンチャの心臓(ハートストーン)は、それがファイレクシア製であったがたためにミラディンに、そして多元宇宙に[[新ファイレクシア/New Phyrexia|新たなる苦痛と諸悪の根源]]を生み出す温床となってしまうのだった。
 
しかしたったひとつ、たったひとつ唯一の厄災にして最大最悪な絶望と悲劇の禍根があった。ザンチャの死から1000以上先の遥かな未来の[[ミラディン/Mirrodin]]、カーンの中で脈打つザンチャの心臓(ハートストーン)は、それがファイレクシア製であったがたためにミラディンに、そして多元宇宙に[[新ファイレクシア/New Phyrexia|新たなる苦痛と諸悪の根源]]を生み出す温床となってしまうのだった。

2014年1月29日 (水) 14:00時点における版

ザンチャ/Xantchaは、ファイレクシア/Phyrexiaにより人間を模して作られた潜伏工作員イラスト)。外見こそ人間の女性だが、その肉体は機械で出来たファイレクシア人である。

人物

年若きファイレクシア人であったザンチャは、人工次元であるファイレクシアには決して存在しない、緑の草原や青い空などの美しい自然を夢に見た、ただひとりのファイレクシア人だった。しかし、任務に送り出されるにあたって、その夢みる「心(人格マトリクス)」を奪われてしまう。彼女はファイレクシアの保管施設におかれた自分の「心」を取り戻したいと思うようになる。

ウルザとの出会い

その後とある任務に失敗した彼女は、その汚れ無き性格を精神異常の欠陥品だと判断され、死刑宣告を受ける。スクラップとして廃棄・処刑イラスト)されそうになっていたところをウルザ/Urzaに助けられる。 兄弟戦争/Brothers' Warから約1500年、ウルザは「の仇であるファイレクシアを知る者」とようやく出会えたことに喜んだ。 彼女はウルザと行動を共にするようになり、ウルザの手助けをするようになる。ウルザはザンチャに、彼女が知る限りのありとあらゆるファイレクシアについての情報を求め、彼女はそれらの質問に出来うる限り答えた。ウルザの激しい怒りと復讐心を知った彼女は、彼をファイレクシアへと案内する。ウルザがファイレクシアの奥深くへと攻め込んで行く一方で、ザンチャは自分の「心(人格マトリクス)」を取り戻そうと潜入イラスト)し、奪還に成功。 ファイレクシアの第四球体で追い詰められていたウルザとやっとの思いで合流するザンチャ。激しい消耗と負傷をした二人は命からがらファイレクシアからプレインズ・ウォークし撤退する。

ウルザとの歩み

セラの領土/Serra's Realmに無事たどり着いた二人だったが、肉体的な傷はザンチャの方が致命的に深かった。 セラの治療によって一命を取りとめたザンチャは、精神的なダメージの深かったウルザ(イラストイラスト)とともに、この次元でしばしの休息をとる。 空には永遠に続く夜明けの太陽が輝き、金色に輝く雲海の間には草原が浮かんでいる。不快な虫や獣の姿はなく、天使修道士たちが美と秩序を尊ぶセラの教えに従う、セラ/Serraが作りし人工の次元/Plane。しかし、天使たちにとっての永遠に続く夜明けの太陽の輝く空は、ザンチャにとってはファイレクシアの永遠に変わることのない黄昏時の灰色の空と同じものにしか見えず、彼女はファイレクシアに戻ってきたかのような錯覚と、残念な気持ちを抱く。ザンチャのそうした指摘をきっかけに、ファイレクシアとセラの世界の共通項、人工次元の不自然さが抱える構造的な欠陥と危うさについてウルザは考え始める。後にその考えはセラ次元の崩壊のよって推測から確証、そして実証へと変わるのである。

セラの次元での休息後、ザンチャとウルザはヨーグモス/Yawgmothの弱点やファイレクシアの起源となった次元探しなど、さらなる情報と様々な攻略の鍵を探しに多元宇宙/Multiverseへの旅にでる。多元宇宙の中で考えうる限り最古の次元、スラン文明以前から存在するエクィロー/Equilorでならばその答えが見つかると考えたウルザは、当面の目的にエクィローの発見を加える。

モアグ/Moagやガスタル/Gastalなど、およそ30もの次元/Planeをザンチャはウルザと訪れた。ファイレクシアに関する情報とエクィロ-探索のためである。次元を訪れるたびに様々な出会いや体験をし、時には何年も何十年も一つの次元に滞在した。探索は困難で一千年以上にも及ぶことになり、AR3110年頃、二人はようやくエクィローに到着した。エクィローを訪ねたザンチャとウルザだが、結局彼らはファイレクシアに関する手がかりを見つけられなかった。


長い長い旅の果て、AR3210年の春に二人はウルザの故郷ドミナリア/Dominariaテリシア/Terisiare大陸へと帰還する。ドミナリアを覆い尽くした氷河期の影響こそ未だ残っていたものの、そこにはザンチャが夢に見た緑の世界が広がっていた。ところが、ウルザにとっては懐かしいはずである故郷の風景は、逆に彼の苦い記憶を蘇らせるのだろう。ウルザは正気を失いかけて、ひたすら後悔の念と言葉に囚われた日々を送るようになる。ウルザの心を癒せるのは弟しかいないと確信したザンチャは、ミシュラを思い起こさせる少年ラプテをウルザに引き合わせる。弟との辛い思い出を修復したいと思っていたウルザは少年ラプタとの出会いを素直に喜び、少年との話し合いや交流を重ねることで少しずつ正気を回復していった。ザンチャはウルザの助けになれたことをいたく喜んだ。

ウルザとの別れ

ザンチャとウルザは再びファイレクシアに関する情報探しに取りかかった。驚くべきことに、ファイレクシア人の起源に関する情報は、ほかならぬドミナリアに眠っていた。コイロスの洞窟/Caves of Koilosを訪れたザンチャは、ウルザが尊敬し、憧れ、理想の世界だと考えていた古代スラン文明と、仇敵ファイレクシア人とが同じ民だった証拠を発見する。ザンチャはウルザと少年を連れて、再度コイロスの洞窟を訪れる。そこでウルザを待っていたのは、ミシュラを生きる機械へと改造し、ザンチャから「心」を奪った張本人、ファイレクシアの法務官ギックス/Gixだった。ことばを交えることなく戦い始めるウルザとギックス。二人の殺し合いはザンチャとラプテの介入によって幕を閉じる。ザンチャがギックスの攻撃からウルザを庇い、身代わりとなって死亡したのだ。感情を抑えきれなくなったウルザは魔力を爆発させる。洞窟の広間に静寂が訪れたとき、そこにはギックス、ザンチャ、ラプテの姿はなく、ウルザだけがただひとり残されていた。ウルザはザンチャの心臓(ハートストーン)を拾い上げると、それをいたわしそうに持ち帰った。洞窟を離れる彼の胸中には少年ラプタとの、そして千年以上にもわたるザンチャとの思い出がこだましていた。

ザンチャが残したもの

ザンチャがウルザに教えた言葉、「無駄にするな。欲しがるな」というファイレクシアの信条は、ウルザが思っている以上にウルザの役に立ち、長きに渡って彼を支え、力づけた。セラの領土におけるザンチャからの指摘がキッカケで考え始めた「人工次元の欠陥」に関する推測も、セラの領土の崩壊という実証により、ウルザの中に別な新たな確信を生ませる。その確信とは「同じ人工次元であるファイレクシアも、何らかの欠陥によりいずれ訪れるだろう崩壊を激しく恐れている。ヨーグモス/Yawgmothやファイレクシア人たちは、その崩壊の宿命から逃れるためになんとしても別の次元を侵略・移住しようとするハズだ!」という確信であった。この揺るぎない確信と根拠の元、ウルザはファイレクシアがドミナリアを狙う侵略戦争を起こすに違いないことを誰よりも強く意識し、来たるべき侵略戦争のため、あらゆる準備を始める。AR3285年に創立されるトレイリアのアカデミー/Tolarian Academyもそうしてウルザが行った侵略戦争への準備の一環である。「自分のように人間の皮膚を被ったファイレクシアの潜伏工作員たちが(自分の他にも)どこにでも入り込んでいる」というザンチャがくれた情報はアカデミー/Academyでの日々において、ウルザやアカデミーの関係者たち、生徒たちを守るための重要な警告となる。またこのアカデミー内において、ウルザはザンチャと発見した「仇敵ファイクイレクシア人と、自分の尊敬する古代スラン人は祖を同する民だ」という過去をくつがえすために”時空逆行実験”の研究も開始する。その研究の末、アカデミーにてウルザはザンチャの心臓を銀のゴーレムに埋め込んだ。そうして生まれたのがカーン/Karnである。カーンはウルザだけではなく、周囲の者やドミナリアそのものを危機から幾度となく救う計り知れないほどの功績を行う。

しかしたったひとつ、たったひとつ唯一の厄災にして最大最悪な絶望と悲劇の禍根があった。ザンチャの死から1000以上先の遥かな未来のミラディン/Mirrodin、カーンの中で脈打つザンチャの心臓(ハートストーン)は、それがファイレクシア製であったがたためにミラディンに、そして多元宇宙に新たなる苦痛と諸悪の根源を生み出す温床となってしまうのだった。


登場カード

ヴァンガード

Xantcha

ウルザズ・サーガ

イラスト
潜伏工作員/Sleeper Agent治癒の軟膏/Healing Salve不正利得/Ill-Gotten Gains抑圧/Oppression犠牲/Victimizeやり込め/Unnerve
フレイバー・テキスト
真に暗き時間/Darkest Hour次元の狭間/Planar Voidギックスの僧侶/Priest of Gixヨーグモスの勅令/Yawgmoth's Edict

参考


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