感染
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**以前はどのプレイヤーがカウンターを置くのかが不明瞭であったが、[[2017年]]4月28日の[[総合ルール]]更新で明確化された。 | **以前はどのプレイヤーがカウンターを置くのかが不明瞭であったが、[[2017年]]4月28日の[[総合ルール]]更新で明確化された。 | ||
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2023年8月16日 (水) 22:58時点における版
感染/Infect | |
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種別 | 常在型能力 |
登場セット | ミラディンの傷跡ブロック |
CR | CR:702.90 |
感染(かんせん)/Infectは、ミラディンの傷跡で登場したキーワード能力。それを持つ発生源が与えるダメージの性質を変える常在型能力である。
Cystbearer / 嚢胞抱え (2)(緑)
クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ビースト(Beast)
クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) ビースト(Beast)
感染(このクリーチャーは、クリーチャーに-1/-1カウンターの形でダメージを与え、プレイヤーに毒(poison)カウンターの形でダメージを与える。)
2/3定義
感染を持つ発生源からクリーチャーに与えられたダメージは、クリーチャーに残らない。それは、その点数に等しい-1/-1カウンターをそのクリーチャーの上に置く。
感染を持つ発生源からプレイヤーに与えられたダメージはそのプレイヤーのライフを失わせない。代わりに、それはその点数に等しい数の毒カウンターをそのプレイヤーに与える。
解説
感染を持つ発生源がクリーチャーに与えるダメージは-1/-1カウンターの形で残り、クリーチャーを恒久的に弱体化させる。その性質から、頑強および再生、破壊不能持ちクリーチャーへの対策になる。
ミラディンの傷跡ブロックは毒カウンターを1つのテーマとしており、感染能力はファイレクシア勢力を象徴する能力である。ミラディンの傷跡では黒や緑、アーティファクトのカードのみが持っており、ミラディン包囲戦で白へ、新たなるファイレクシアで青と赤へと、新ファイレクシアの侵攻に合わせて拡がっていった。
従来の毒カウンターを与える能力に比べると、以下のような利点・特徴があるといえる。
- 従来の毒カウンターを与える能力はクリーチャー間戦闘では意味を持たず、かつそれを持つクリーチャーは同コスト帯の他クリーチャーよりもP/T面が劣ることが多く、不利になりがちだった。感染能力を持つクリーチャーはサイズがやや改善され、さらに-1/-1カウンターによる継続的な影響力から、クリーチャー間戦闘でも軽視できない存在となった。
- プレイヤーに与えるダメージ効率の観点では、与える毒カウンターの数がダメージ量に応じて増減するためパンプアップや二段攻撃のような強化能力との相性が非常に良い。俗に言われるように毒カウンター1個は2点のダメージに相当とみなせるので、攻撃が通ればこれらの強化が通常の2倍の効率で作用するためである。
- プレイヤーにダメージを与えてもライフが減らないので、感染を持っていないクリーチャーと同時に攻撃するのは効率が悪い。
- 例えば、1ターン目にぎらつかせのエルフ/Glistener Elfを召喚し、2ターン目にそれを対象に突撃のストロボ/Assault Strobeと上陸状態の地うねり/Groundswellを唱えて攻撃が通れば2ターンキルである。
- なお、エターナルまでカードプールを広げれば、激励/Invigorateと狂暴化/Berserkの組み合わせによって、実質1マナでパワーを10まで強化できる。
- ダメージ量で与えられる毒カウンターの数が変わるので、ダメージの軽減によって毒カウンターを与えられる数が減るということでもある。とはいえ、従来の毒カウンター型クリーチャーの多くは「パワー1で、ダメージを与えると毒カウンター1個」というようなものだったので、あまり差はない。
ルール
- (クリーチャーでない)プレインズウォーカーにダメージを与える場合は、通常通り処理される。すなわち、ダメージと同数の忠誠カウンターをプレインズウォーカーから取り除く。
- ダメージを与えられた状態でも、クリーチャーがそのダメージを負うことはない。
- (例)4/3のクリーチャーが、感染を持つ発生源から2点のダメージを受けた場合、「-1/-1カウンターが2つ置かれた4/3のクリーチャー」、すなわち2/1となって戦場に残る。
- これはダメージを受けたあとの処理を変更する。ダメージを置換するわけではない。
- 感染による作用で-1/-1カウンターが置かれても、「ダメージを与えられた」状態であることに変わりはない。なので、命取り/Fatal Blowの対象にすることは可能である。
- ダメージなので、軽減することができる。
- 感染と絆魂とを同時に持つクリーチャーがダメージを与えても、絆魂は機能する。接死についても同様である。
- 感染のルールは、感染自体が持つ能力ではない。ダメージに関するルールにより、「発生源が感染を持つかどうか」が参照される。そのため、この処理は最後の情報を参照する。
- 感染を持つパーマネントが効果によってダメージを与える前にそれが戦場を離れても、戦場を離れた時点で感染を持っていたのならばこの処理が適用される。
- 感染を持つ発生源からのダメージで-1/-1カウンターを置くのは、その発生源のコントローラーである。
- スカラベの巣/Nest of Scarabsなど、-1/-1カウンターをどのプレイヤーが置いたのかを参照するカードとの相互作用で問題になる。
- 以前はどのプレイヤーがカウンターを置くのかが不明瞭であったが、2017年4月28日の総合ルール更新で明確化された。
- 感染を持つ統率者が対戦相手に戦闘ダメージを与える場合、戦闘ダメージを与えた扱いにはなるが、統率者ダメージは与えられない。
その他
- 一つの発生源が感染と萎縮の両方をもっても、クリーチャーに置かれるカウンターは倍にはならない。
- ロード的な存在として、法務官の手/Hand of the Praetorsがいる。
- Diseased Verminやジーンスティーラー・パトリアーク/Genestealer Patriarchは、感染カウンターを使用するが、この能力とは無関係である。
- 一見キーワード・カウンターのように見えるが、総合ルールで定義されていないため能力は与えず(CR:122.1b)、そもそも英語名が異なる(上記の2枚はInfection、こちらはInfect)。
- ネシアンの狩猟者/Nessian Courser(3/3バニラ)と嚢胞抱え/Cystbearer(2/3感染)を見る限り、感染は基本的にメリット能力として考えられている。しかし、前述の感染を持たないクリーチャーと組み合わせることの効率の悪さから、例えばぎらつかせのエルフと柳のエルフ/Willow Elfは必ずしも上位互換・下位互換の関係には無い。
- モダンホライゾン2発売の際のオラクル改定で、感染を持つクリーチャー・カード、感染を持つクリーチャーになるカード、感染を持つクリーチャー・トークンはすべてファイレクシアンのクリーチャー・タイプが追加された。これによって感染デッキは疫病を仕組むもの/Plague Engineerのような部族対策カードに弱くなった。
- ファイレクシア:完全なる統一の開発初期には再登場が検討されていたが、-1/-1カウンターを用いることが開発部に嫌われているうえ能力そのものもプレイヤーに賛否両論であったため、展望デザイン段階で有毒(後に毒性)へと置き換えられた。
参考
- 『ミラディンの傷跡』メカニズムレビュー:毒(Internet Archive) (マジック日本語版公式サイト、文:高橋優太)
- 感染のグリーンミスト(Internet Archive) (マジック日本語版公式サイト、文:渡辺雄也)
- ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック(Making Magic 2018年6月11日)
- Phyrexia: All Will Be One Direction, Part 1/『ファイレクシア:完全なる統一』方的な話 その1(Making Magic 2023年1月17日 Mark Rosewater著)
- 「感染」でテキスト検索
- キーワード能力
- ルーリング
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 702 キーワード能力
- 702.90 感染/Infect
- 702.90a 感染は常在型能力である。
- 702.90b 感染を持つ発生源からプレイヤーが受けたダメージは、そのプレイヤーのライフを減少させない。そうではなく、それによってその発生源のコントローラーはそのプレイヤーにその点数に等しい数の毒カウンターを得させる。rule 120.3 参照。
- 702.90c 感染を持つ発生源からのダメージを、クリーチャーは負わない。そうではなく、その発生源のコントローラーはその点数に等しい数の-1/-1カウンターをそのクリーチャーの上に置く。rule 120.3 参照。
- 702.90d オブジェクトが何らかの効果によってダメージを与える前にそのオブジェクトが領域を移動した場合、それが感染を持っていたか否かの決定にはそれの最後の情報を用いる。
- 702.90e 感染のルールは、その感染を持つオブジェクトがどの領域にある場合にも機能する。
- 702.90f 1つのオブジェクトに複数の感染 能力があっても効果は変わらない。
- 702.90 感染/Infect
- 702 キーワード能力