Bolshack Dragon (Playtest)
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+ | デュエル・マスターズでの[[文章欄]]を<del>そっくりそのまま</del>取り消し線を用いた差し替えで、マジック側のルールに沿うよう可能な限り忠実に翻案しているのだが、[[パワー]]のルールの違いを考慮していないことを初めとして、ノーコストかつ条件も緩い[[パンプアップ]]能力はそのまま、さらにW・ブレイカーを[[二段攻撃]]にするなど、(あえて?)雑に翻案してしまったことにより容易に即死級の[[ダメージ]]を叩き出せる強力なカードに仕上がってしまった。 | ||
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+ | :この[[サイズ]]と[[能力]]だというのに[[シングルシンボル]]。これはデュエル・マスターズの[[マナ・コスト]]の支払いは「そのカードが持つ各文明([[色]])と同じマナを1マナ支払えば、残りはどんなマナで支払っても良い」というルールを再現したもの。オリジナルは火文明(≒[[赤]])6コストなのでマジックで表現すると(5)(赤)という[[マナ・コスト]]になる。ともあれ、[[色拘束]]が緩いので[[タッチ]]赤のデッキであれば十分ピックする価値はあるだろう。そうなるとパンプアップの能力が活かせないが、元々大きいので些末な問題。 | ||
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+ | :オリジナルではパワー6000だったが、マジックでのサイズは6/6。厳密には定義できないが、少なくともこのカードにおいてはマジックでのパワー1は、デュエル・マスターズでのパワー1000に相当すると考えられているようだ。またデュエル・マスターズでのパワーとは、そのルール上マジックでのパワーと[[タフネス]]の両方の性質を併せ持っているため、パワー=タフネスと同じ数値にしているのだろう。[[パワー/タフネス]]欄が6<del>000</del>となっていないのは残念だが、枠が厳しかったのだろう。 | ||
+ | :なおこのパワー6000というのはデュエル・マスターズではあまり大きい数字ではなく、パワー10000だの15000だのがごろごろいる。ちなみに基本的に1000区切りなのだが、[[Little Girl|パワーが500なクリーチャー]]もいる。 | ||
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+ | :[[ドラゴン]]であるのにもかかわらず[[飛行]]を持たないことを初めとして[[回避能力]]や[[除去耐性]]は持っていない。これはオリジナルの能力に(差し替えこそすれど)追加の能力は持たせなかったことが功を奏した(?)形となった。そのため[[ブロック]]なり[[除去]]なりで止めること自体は容易。しかし放置すればそのままゲームが終わる[[カードパワー]]は秘めていることに違いはない。 | ||
+ | :飛行を持たないことはリリースノートでも念押しされている<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/feature/mystery-booster-2-release-notes Mystery Booster 2 Release Notes]([[Daily MTG]] [[2024年]]9月20日)</ref>。ちなみにオリジナルのメディアを見る限り、本来は空を飛べる。 | ||
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+ | :W・ブレイカーとは(マジックの[[ライフ]]に相当する)シールドを「ブレイク」する際に2枚ブレイクできる(初期シールド枚数は5枚)能力で、3枚以上ブレイクする上位能力も含めると大型クリーチャーであればほぼ全てのクリーチャーが持っている普遍的な能力である。 | ||
+ | :しかし「相手のライフを削って勝利する」マジックにおいて単純にこれを二段攻撃と翻案するのはあまりにも強力すぎた。とは言えフレイバー面も含めて、性能的にちょうど良い能力が他にないのも確か。 | ||
+ | :なお[[Mystery Booster 2]]には、ライフの形式をデュエル・マスターズ形式のようにシールド形式にしてしまう[[Lich's Duel Mastery (Playtest)]]が存在する。相手がこれでシールドを展開してたとしても、このカードは残念ながらW・ブレイカーがオミットされているので、一度に2枚シールドをブレイクすることはできない。二段攻撃があるのであまり影響はないかもしれないが。 | ||
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+ | :「攻撃中」というのをはじめ、マジックの[[テンプレート]]にそぐわない表現となっているが、リリースノートでは「それが攻撃している限り、あなたの墓地にある赤のカード1枚につき+1/+0の修整を受ける。」と言い換えることになっている。 | ||
+ | :つまり墓地に赤のカードさえあればよくて、追加のマナ・コストどころか[[生け贄]]も墓地のカードの[[追放]]も不要。パワーの高さが勝利に直接繋がらないデュエル・マスターズにおいてはあまり強力な能力じゃないのだが、マジックにおいては[[シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon]]や[[サイカトグ/Psychatog]]も裸足で逃げ出すとんでもないもの。 | ||
+ | :リソースを一切消費しないのでゲームが進めば進むほど手が付けられないパワーになる。そんなことせずともこのカードが出る頃には墓地に赤のカードが4、5枚は落ちてて最初からパワーが10を超えているのも不思議ではなく、二段攻撃も相まって一発で対戦相手を沈めかねない。タフネスは上がらないが、だから何だという話である。 | ||
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+ | :原作では「アーマード・ドラゴン/Armored Dragon」という種族なのだが、[[マジック]]の[[サブタイプ]]のルールの都合上Armoredと[[ドラゴン]]の2つのタイプに分かれてしまっている。一方、デュエル・マスターズでは種族を指定する表記は「名称にその単語を含む種族すべて」を参照するというルールがあり、「アーマード」「ドラゴン」それぞれを参照するカードが存在するため、2つのタイプに分かれているのはマジック側への翻案として適正と考えることもできる。 | ||
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+ | 総じて、「デュエル・マスターズでは普通のカードでも、ただ単純にマジックのルールに沿うように書き換えてみたらとんでもないことになった」スペックであり、[[構築]]で使用不可な[[ブースター・ドラフト]]専用カードだから許されている[[カードパワー]]になっている。マジックもデュエル・マスターズも同じ[[ウィザーズ・オブ・ザ・コースト|WoC]]開発かつ用語や一部ルールも共通するのだが「だからといってゲーム性を無視してオリジナルの性能を忠実に再現すると大変なことになるよ」と[[開発部]]はテストカードという体裁で示している……かもしれない。 | ||
+ | *なお逆にマジックのカードがデュエル・マスターズのカードとして開発された例も多数存在する。(代表例は[[ブラック・ロータス/Black Lotus]]、[[ニコル・ボーラス/Nicol Bolas]]等)こちらでいう[[アン・ゲーム]]のようなパックに封入されて販売されたのだが、このカードのようにただ単純に能力を翻案したのではなく、デュエル・マスターズのゲーム性を鑑みて真っ当な能力に調整されており、こちらでいう[[トーナメント]]でも使用可能。 | ||
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+ | ==脚注== | ||
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==参考== | ==参考== | ||
*[[カード個別評価:Mystery Booster 2]](R&D Playtest cards) | *[[カード個別評価:Mystery Booster 2]](R&D Playtest cards) |
2025年2月3日 (月) 10:50時点における最新版
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Bolshack Dragon (5)(赤)クリーチャー ─ Armored ドラゴン(Dragon)
W・ブレイカー二段攻撃
攻撃中、このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にある火赤のカード1枚につき+1000される。
[テストカード - 構築では使用できない。]
マジックの弟分的トレーディングカードゲーム、デュエル・マスターズより初期の主役カードであるボルシャック・ドラゴンが登場。
目次 |
[編集] 概要
デュエル・マスターズでの文章欄をそっくりそのまま取り消し線を用いた差し替えで、マジック側のルールに沿うよう可能な限り忠実に翻案しているのだが、パワーのルールの違いを考慮していないことを初めとして、ノーコストかつ条件も緩いパンプアップ能力はそのまま、さらにW・ブレイカーを二段攻撃にするなど、(あえて?)雑に翻案してしまったことにより容易に即死級のダメージを叩き出せる強力なカードに仕上がってしまった。
[編集] 解説
- マナ・コスト
- このサイズと能力だというのにシングルシンボル。これはデュエル・マスターズのマナ・コストの支払いは「そのカードが持つ各文明(色)と同じマナを1マナ支払えば、残りはどんなマナで支払っても良い」というルールを再現したもの。オリジナルは火文明(≒赤)6コストなのでマジックで表現すると(5)(赤)というマナ・コストになる。ともあれ、色拘束が緩いのでタッチ赤のデッキであれば十分ピックする価値はあるだろう。そうなるとパンプアップの能力が活かせないが、元々大きいので些末な問題。
- サイズ
- オリジナルではパワー6000だったが、マジックでのサイズは6/6。厳密には定義できないが、少なくともこのカードにおいてはマジックでのパワー1は、デュエル・マスターズでのパワー1000に相当すると考えられているようだ。またデュエル・マスターズでのパワーとは、そのルール上マジックでのパワーとタフネスの両方の性質を併せ持っているため、パワー=タフネスと同じ数値にしているのだろう。パワー/タフネス欄が6
000となっていないのは残念だが、枠が厳しかったのだろう。 - なおこのパワー6000というのはデュエル・マスターズではあまり大きい数字ではなく、パワー10000だの15000だのがごろごろいる。ちなみに基本的に1000区切りなのだが、パワーが500なクリーチャーもいる。
- 飛行を持たないことについて
- ドラゴンであるのにもかかわらず飛行を持たないことを初めとして回避能力や除去耐性は持っていない。これはオリジナルの能力に(差し替えこそすれど)追加の能力は持たせなかったことが功を奏した(?)形となった。そのためブロックなり除去なりで止めること自体は容易。しかし放置すればそのままゲームが終わるカードパワーは秘めていることに違いはない。
- 飛行を持たないことはリリースノートでも念押しされている[1]。ちなみにオリジナルのメディアを見る限り、本来は空を飛べる。
W・ブレイカー二段攻撃- W・ブレイカーとは(マジックのライフに相当する)シールドを「ブレイク」する際に2枚ブレイクできる(初期シールド枚数は5枚)能力で、3枚以上ブレイクする上位能力も含めると大型クリーチャーであればほぼ全てのクリーチャーが持っている普遍的な能力である。
- しかし「相手のライフを削って勝利する」マジックにおいて単純にこれを二段攻撃と翻案するのはあまりにも強力すぎた。とは言えフレイバー面も含めて、性能的にちょうど良い能力が他にないのも確か。
- なおMystery Booster 2には、ライフの形式をデュエル・マスターズ形式のようにシールド形式にしてしまうLich's Duel Mastery (Playtest)が存在する。相手がこれでシールドを展開してたとしても、このカードは残念ながらW・ブレイカーがオミットされているので、一度に2枚シールドをブレイクすることはできない。二段攻撃があるのであまり影響はないかもしれないが。
- パンプアップ能力
- 「攻撃中」というのをはじめ、マジックのテンプレートにそぐわない表現となっているが、リリースノートでは「それが攻撃している限り、あなたの墓地にある赤のカード1枚につき+1/+0の修整を受ける。」と言い換えることになっている。
- つまり墓地に赤のカードさえあればよくて、追加のマナ・コストどころか生け贄も墓地のカードの追放も不要。パワーの高さが勝利に直接繋がらないデュエル・マスターズにおいてはあまり強力な能力じゃないのだが、マジックにおいてはシヴ山のドラゴン/Shivan Dragonやサイカトグ/Psychatogも裸足で逃げ出すとんでもないもの。
- リソースを一切消費しないのでゲームが進めば進むほど手が付けられないパワーになる。そんなことせずともこのカードが出る頃には墓地に赤のカードが4、5枚は落ちてて最初からパワーが10を超えているのも不思議ではなく、二段攻撃も相まって一発で対戦相手を沈めかねない。タフネスは上がらないが、だから何だという話である。
- クリーチャー・タイプ
- 原作では「アーマード・ドラゴン/Armored Dragon」という種族なのだが、マジックのサブタイプのルールの都合上Armoredとドラゴンの2つのタイプに分かれてしまっている。一方、デュエル・マスターズでは種族を指定する表記は「名称にその単語を含む種族すべて」を参照するというルールがあり、「アーマード」「ドラゴン」それぞれを参照するカードが存在するため、2つのタイプに分かれているのはマジック側への翻案として適正と考えることもできる。
総じて、「デュエル・マスターズでは普通のカードでも、ただ単純にマジックのルールに沿うように書き換えてみたらとんでもないことになった」スペックであり、構築で使用不可なブースター・ドラフト専用カードだから許されているカードパワーになっている。マジックもデュエル・マスターズも同じWoC開発かつ用語や一部ルールも共通するのだが「だからといってゲーム性を無視してオリジナルの性能を忠実に再現すると大変なことになるよ」と開発部はテストカードという体裁で示している……かもしれない。
- なお逆にマジックのカードがデュエル・マスターズのカードとして開発された例も多数存在する。(代表例はブラック・ロータス/Black Lotus、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas等)こちらでいうアン・ゲームのようなパックに封入されて販売されたのだが、このカードのようにただ単純に能力を翻案したのではなく、デュエル・マスターズのゲーム性を鑑みて真っ当な能力に調整されており、こちらでいうトーナメントでも使用可能。
[編集] 脚注
[編集] 参考
- カード個別評価:Mystery Booster 2(R&D Playtest cards)