サイドボード
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− | トーナメントにおいて、[[マッチ]]の2[[ゲーム]]目以降はサイドボードのカードを追加したり、[[メインデッキ]]にあるカードと入れ替えたりすることで、メインデッキの構成を変えることができる。カードをサイドボードからメインデッキに入れることを'''サイドイン'''、逆を'''サイドアウト''' | + | トーナメントにおいて、[[マッチ]]の2[[ゲーム]]目以降はサイドボードのカードを追加したり、[[メインデッキ]]にあるカードと入れ替えたりすることで、メインデッキの構成を変えることができる。カードをサイドボードからメインデッキに入れることを'''サイドイン'''、逆を'''サイドアウト'''と呼ぶ。特に「必要なカードを入れる」/「不要なカードを抜く」のどちらかの意味を強調したい場合に用いられる。 |
[[ジャッジメント]]で登場した「[[願い]]」カードなど、特に[[ゲームの外部]]を参照している[[効果]]を除き、ゲームの対戦中にサイドボードを使用することはない。 | [[ジャッジメント]]で登場した「[[願い]]」カードなど、特に[[ゲームの外部]]を参照している[[効果]]を除き、ゲームの対戦中にサイドボードを使用することはない。 | ||
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[[プレイヤー]]は各々、15枚以下のサイドボードを用意してもよい。また、サイドボードを使用しないことを選んでもよい。 | [[プレイヤー]]は各々、15枚以下のサイドボードを用意してもよい。また、サイドボードを使用しないことを選んでもよい。 | ||
2ゲーム目以降はメインデッキへのカードの追加や入れ替えを自由に行なってもよいが、変更後は'''「サイドボードの枚数が15枚以下」'''であり、かつ'''「デッキの最低枚数'''(60枚)'''を満たしている」'''必要がある。以下の表に入れ替えの適正例と不適正例を記す。 | 2ゲーム目以降はメインデッキへのカードの追加や入れ替えを自由に行なってもよいが、変更後は'''「サイドボードの枚数が15枚以下」'''であり、かつ'''「デッキの最低枚数'''(60枚)'''を満たしている」'''必要がある。以下の表に入れ替えの適正例と不適正例を記す。 | ||
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− | *マッチが終了したら、サイドボードと[[メインデッキ]]は初期状態に戻さなければならない。ただし、[[デッキリスト]]を用いない[[ルール適用度]] | + | *マッチが終了したら、サイドボードと[[メインデッキ]]は初期状態に戻さなければならない。ただし、[[デッキリスト]]を用いない[[ルール適用度]]が一般のリミテッドフォーマットのイベントにおいては(主に[[フライデー・ナイト・マジック]]や[[プレリリース・トーナメント]])、[[ヘッド・ジャッジ]]またはイベント主催者が「マッチごとにデッキを初期状態に戻す必要がある」と宣言しない限りは、メインデッキを初期の状態に戻す義務が無く、とあるマッチの2ゲーム以降メインデッキとサイドボードを入れ替え、そのまま次のマッチに臨んだり、マッチ間でデッキの調整を行っても問題ない。 |
− | ** | + | **フォーマットが構築である場合や、リミテッドでもデッキリスト使用が強制となるルール適用度が競技以上の場合にはこの例外規定は適用されず、マッチ終了後に初期状態に戻す必要がある。 |
*サイドボードのカードの内容は原則として[[非公開情報]]である。対戦相手のサイドボードに関して知ることができるのはその枚数のみであり、その内容を見ることはできない。自分のサイドボードはゲーム中にいつでもその内容を見て確認することができるが、その時に他のカードと混ぜてはいけない。 | *サイドボードのカードの内容は原則として[[非公開情報]]である。対戦相手のサイドボードに関して知ることができるのはその枚数のみであり、その内容を見ることはできない。自分のサイドボードはゲーム中にいつでもその内容を見て確認することができるが、その時に他のカードと混ぜてはいけない。 | ||
− | ** | + | **このルールは[[2007年]]9月20日の[[フロア・ルール]]変更後のものである。それ以前は、自分のサイドボードであっても勝手に内容を見ることはできなかった。 |
− | **[[精神隷属器/Mindslaver]] | + | **[[精神隷属器/Mindslaver]]などで[[他のプレイヤーをコントロールする|対戦相手のコントロールを奪取]]しても、対戦相手のサイドボードを見る事はできない。詳細は[[他のプレイヤーをコントロールする]]を参照。 |
+ | ***一時期「対戦相手をコントロールしている場合は見られる」という裁定が出ていたが、[[異界月]]発売時のルール変更で現在のルールへと変更されている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/eldritch-moon-update-bulletin-2016-07-28 Eldritch Moon Update Bulletin](Feature [[2016年]]7月28日 [[Matt Tabak]]著)</ref>。 | ||
*ゲームの間にサイドボードのカードを入れ替える際、サイドボードを交換する枚数や内容を[[対戦相手]]に知らせる必要はない(が、知らせても問題はない)。 | *ゲームの間にサイドボードのカードを入れ替える際、サイドボードを交換する枚数や内容を[[対戦相手]]に知らせる必要はない(が、知らせても問題はない)。 | ||
**内容がよく知られたメジャーなデッキの場合、サイドボードの交換する枚数でその内容が推測されてしまう場合がある。そのため「一度サイドボードのカードを全てデッキに混ぜ、その後15枚抜く」という交換の手法が考案されたこともある。また、推測されるのを逆手にとって[[ブラフ]]を仕掛けることもあった。とはいえ通常はそこまでする必要はまずない。 | **内容がよく知られたメジャーなデッキの場合、サイドボードの交換する枚数でその内容が推測されてしまう場合がある。そのため「一度サイドボードのカードを全てデッキに混ぜ、その後15枚抜く」という交換の手法が考案されたこともある。また、推測されるのを逆手にとって[[ブラフ]]を仕掛けることもあった。とはいえ通常はそこまでする必要はまずない。 | ||
− | * | + | *[[2010年]]1月に[[マジック・イベント規定]]が更新され、ゲーム開始前に対戦相手にサイドボードを提示することが義務となった。詳細は[[マジック・イベント規定]]3.15節を参照。 |
**ゲーム開始前に、対戦相手やジャッジがサイドボード枚数の確認を要求してきた場合、その枚数を数えることを認めなければならない。 | **ゲーム開始前に、対戦相手やジャッジがサイドボード枚数の確認を要求してきた場合、その枚数を数えることを認めなければならない。 | ||
**大会規定更新以前にも、日本国内ではゲーム開始前にサイドボードを並べて相互確認をすることが慣習になっており、相互確認が行われることが多かった。 | **大会規定更新以前にも、日本国内ではゲーム開始前にサイドボードを並べて相互確認をすることが慣習になっており、相互確認が行われることが多かった。 | ||
− | *[[プロツアー「イニストラードを覆う影」]]以降、3本先取制を採用している[[プロツアー]]・[[世界選手権]] | + | *[[プロツアー「イニストラードを覆う影」]]以降、3本先取制を採用している[[プロツアー]]・[[世界選手権]]の決勝ラウンドでは、1・2ゲーム目はサイドボードを使用することはできない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/changes-pro-tour-sunday-playoff-sideboarding-2016-03-01 Changes to Pro Tour Sunday Playoff Sideboarding](News [[2016年]]3月1日 [[WotC]]著)</ref>。 |
*ゲーム中に(ルールに従って)サイドボードの枚数が変化しても問題ない。 | *ゲーム中に(ルールに従って)サイドボードの枚数が変化しても問題ない。 | ||
− | ** | + | **これは「願い」などの[[ゲームの外部#ゲームの外部を参照するカード|ゲームの外部を参照するカード]]を用いた場合などに起きる。 |
==使用法== | ==使用法== | ||
− | サイドボードの使い方には、大きく分けて「[[アグレッシブ・サイドボーディング]]」と「[[ディフェンシブ・サイドボーディング]]」の2つがあり、この2つが混在している場合もある。それぞれの詳細は各項目を参照。 | + | サイドボードの使い方には、大きく分けて「'''[[アグレッシブ・サイドボーディング]]'''」と「'''[[ディフェンシブ・サイドボーディング]]'''」の2つがあり、この2つが混在している場合もある。それぞれの詳細は各項目を参照。 |
− | + | これら以外の特殊な使い方として、「願い」系カードでの[[シルバーバレット]]用に各カードを1枚ずつ入れておく(通称'''[[ウィッシュボード]]''')という手法もある。 | |
==旧ルール== | ==旧ルール== | ||
− | + | 2013年7月13日より、サイドボードに関するルールが改定された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/magic-2014-core-set-rules-preview-2013-05-23 Magic 2014 Core Set Rules Preview]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0004057/ 『マジック基本セット2014』に伴うルール変更]([[Making Magic]] [[2013年]]5月23日 Matt Tabak著)</ref>。以前のルールではサイドボードは「15枚ちょうど」もしくは「0枚(使用しない)」のどちらかしか認められておらず、2[[ゲーム]]目以降のカードの入れ替えは同じ枚数同士で交換しなくてはならなかった(常にサイドボードのカードは15枚であった)。ルール改訂によってリミテッドの形式に近くなり、入れ替えのミスで「ゲームの敗北」の[[懲罰]]を受ける危険性が低くなった。 | |
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+ | ==脚注== | ||
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==参考== | ==参考== | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/beyond-basics/drafting-your-sideboard-2017-07-13 Drafting Your Sideboard]/[https://mtg-jp.com/reading/bb/0019105/ サイドボードをドラフトしよう](Beyond the Basics [[2017年]]7月13日 [[Gavin Verhey]]著) | ||
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2023年5月21日 (日) 21:46時点における最新版
サイドボード/Sideboardは、トーナメントでゲームとゲームの間に用いることができる、デッキ修整用の追加のカードの集合。
目次 |
[編集] 解説
トーナメントにおいて、マッチの2ゲーム目以降はサイドボードのカードを追加したり、メインデッキにあるカードと入れ替えたりすることで、メインデッキの構成を変えることができる。カードをサイドボードからメインデッキに入れることをサイドイン、逆をサイドアウトと呼ぶ。特に「必要なカードを入れる」/「不要なカードを抜く」のどちらかの意味を強調したい場合に用いられる。
ジャッジメントで登場した「願い」カードなど、特にゲームの外部を参照している効果を除き、ゲームの対戦中にサイドボードを使用することはない。
[編集] 各フォーマットでのルール
[編集] 構築およびエターナル
プレイヤーは各々、15枚以下のサイドボードを用意してもよい。また、サイドボードを使用しないことを選んでもよい。
2ゲーム目以降はメインデッキへのカードの追加や入れ替えを自由に行なってもよいが、変更後は「サイドボードの枚数が15枚以下」であり、かつ「デッキの最低枚数(60枚)を満たしている」必要がある。以下の表に入れ替えの適正例と不適正例を記す。
第1ゲーム | 次のゲーム | |||
---|---|---|---|---|
メイン | サイド | メイン | サイド | 適正/不適正 |
60 | 15 | 60 | 15 | 適正 |
60 | 15 | 61 | 14 | |
60 | 15 | 75 | 0 | |
75 | 0 | 60 | 15 | |
60 | 10 | 63 | 7 | |
80 | 1 | 66 | 15 | |
250 | 15 | 60 | 205 | 不適正 |
60 | 5 | 50 | 15 |
[編集] リミテッド
リミテッドでは、メインデッキで使用しなかったカードすべてをサイドボードとして扱う。メインデッキの最低枚数(40枚)に違反しない限り、メインデッキとサイドボードのカードを自由に交換してよい。たとえすべてのカードを交換したとしても適正である。また、このときに基本土地カードの追加を要求することができる。構築と同様に交換は1対1である必要はないので、サイドボード後にメインデッキの枚数がサイドボード前より増えていたとしても適正である。例えばドラフトで対戦相手のデッキがライブラリーアウトを主軸にしている場合、サイドボード後に枚数を大幅に追加して対抗することがある。
[編集] 多人数戦
構築かリミテッドかを問わず、サイドボードは一切使用できない。
[編集] その他トーナメント上のルール
- マッチが終了したら、サイドボードとメインデッキは初期状態に戻さなければならない。ただし、デッキリストを用いないルール適用度が一般のリミテッドフォーマットのイベントにおいては(主にフライデー・ナイト・マジックやプレリリース・トーナメント)、ヘッド・ジャッジまたはイベント主催者が「マッチごとにデッキを初期状態に戻す必要がある」と宣言しない限りは、メインデッキを初期の状態に戻す義務が無く、とあるマッチの2ゲーム以降メインデッキとサイドボードを入れ替え、そのまま次のマッチに臨んだり、マッチ間でデッキの調整を行っても問題ない。
- フォーマットが構築である場合や、リミテッドでもデッキリスト使用が強制となるルール適用度が競技以上の場合にはこの例外規定は適用されず、マッチ終了後に初期状態に戻す必要がある。
- サイドボードのカードの内容は原則として非公開情報である。対戦相手のサイドボードに関して知ることができるのはその枚数のみであり、その内容を見ることはできない。自分のサイドボードはゲーム中にいつでもその内容を見て確認することができるが、その時に他のカードと混ぜてはいけない。
- このルールは2007年9月20日のフロア・ルール変更後のものである。それ以前は、自分のサイドボードであっても勝手に内容を見ることはできなかった。
- 精神隷属器/Mindslaverなどで対戦相手のコントロールを奪取しても、対戦相手のサイドボードを見る事はできない。詳細は他のプレイヤーをコントロールするを参照。
- ゲームの間にサイドボードのカードを入れ替える際、サイドボードを交換する枚数や内容を対戦相手に知らせる必要はない(が、知らせても問題はない)。
- 内容がよく知られたメジャーなデッキの場合、サイドボードの交換する枚数でその内容が推測されてしまう場合がある。そのため「一度サイドボードのカードを全てデッキに混ぜ、その後15枚抜く」という交換の手法が考案されたこともある。また、推測されるのを逆手にとってブラフを仕掛けることもあった。とはいえ通常はそこまでする必要はまずない。
- 2010年1月にマジック・イベント規定が更新され、ゲーム開始前に対戦相手にサイドボードを提示することが義務となった。詳細はマジック・イベント規定3.15節を参照。
- ゲーム開始前に、対戦相手やジャッジがサイドボード枚数の確認を要求してきた場合、その枚数を数えることを認めなければならない。
- 大会規定更新以前にも、日本国内ではゲーム開始前にサイドボードを並べて相互確認をすることが慣習になっており、相互確認が行われることが多かった。
- プロツアー「イニストラードを覆う影」以降、3本先取制を採用しているプロツアー・世界選手権の決勝ラウンドでは、1・2ゲーム目はサイドボードを使用することはできない[2]。
- ゲーム中に(ルールに従って)サイドボードの枚数が変化しても問題ない。
- これは「願い」などのゲームの外部を参照するカードを用いた場合などに起きる。
[編集] 使用法
サイドボードの使い方には、大きく分けて「アグレッシブ・サイドボーディング」と「ディフェンシブ・サイドボーディング」の2つがあり、この2つが混在している場合もある。それぞれの詳細は各項目を参照。
これら以外の特殊な使い方として、「願い」系カードでのシルバーバレット用に各カードを1枚ずつ入れておく(通称ウィッシュボード)という手法もある。
[編集] 旧ルール
2013年7月13日より、サイドボードに関するルールが改定された[3]。以前のルールではサイドボードは「15枚ちょうど」もしくは「0枚(使用しない)」のどちらかしか認められておらず、2ゲーム目以降のカードの入れ替えは同じ枚数同士で交換しなくてはならなかった(常にサイドボードのカードは15枚であった)。ルール改訂によってリミテッドの形式に近くなり、入れ替えのミスで「ゲームの敗北」の懲罰を受ける危険性が低くなった。
[編集] 脚注
- ↑ Eldritch Moon Update Bulletin(Feature 2016年7月28日 Matt Tabak著)
- ↑ Changes to Pro Tour Sunday Playoff Sideboarding(News 2016年3月1日 WotC著)
- ↑ Magic 2014 Core Set Rules Preview/『マジック基本セット2014』に伴うルール変更(Making Magic 2013年5月23日 Matt Tabak著)
[編集] 参考
- Drafting Your Sideboard/サイドボードをドラフトしよう(Beyond the Basics 2017年7月13日 Gavin Verhey著)
- デッキ
- トーナメント用語
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 100 原則
- 100.4 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。
- 100.4a 構築環境では、サイドボードには最大15枚のカードを使用できる。4枚制限(rule 100.2a 参照)はデッキとサイドボードの合計に適用される。
- 100.4b 個人で参加するリミテッド環境では、そのプレイヤーのカード・プールの中でデッキに入らなかったカードすべてがそのプレイヤーのサイドボードとなる。
- 100.4c 双頭巨人戦変種ルールを用いたリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどちらのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードがチームのサイドボードとなる。
- 100.4d 双頭巨人戦以外のチーム戦変種ルールが適用されるリミテッド環境では、チームのカード・プールの中でどのプレイヤーのデッキにも入らなかったカードは、いずれか1人のプレイヤーのサイドボードとなる。各プレイヤーはそれぞれにサイドボードを持ち、プレイヤー間での受け渡しは認められない。
- 100.4 各プレイヤーはデッキの他に、ゲームとゲームの間に デッキを調整するために使う追加のカード群であるサイドボードを持っていてもよい。
- 100 原則