破壊不能
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− | + | 破壊不能は全[[色]]に存在し、アーティファクトを除くと[[白]]に最も多く、次いで[[緑]]、[[黒]]の順。また、破壊不能を持つ[[サイクル]]として[[明神]]や[[神 (テーロス・ブロック)|テーロス・ブロックの神]]および[[神 (アモンケット・ブロック)|アモンケットの神]]がある。 | |
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+ | [[カラデシュ]]以降、ルールが複雑だった[[再生]]の代用として「[[ターン終了時まで]]破壊不能を得る」という形で表現されるケースが多い<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-and-ends-kaladesh-part-3-2016-10-31 Odds and Ends: Kaladesh, Part 3]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017913/ こぼれ話:『カラデシュ』 その3](Making Magic [[2016年]]10月31日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。[[再生]]の項も参照。 | ||
===ルール=== | ===ルール=== | ||
− | * | + | *あくまでも破壊されることを無視するだけで、[[戦場を離れる|戦場を離れ]]ないわけではない。[[生け贄に捧げる]]ことはできるし、[[追放]]することで[[除去]]することはできるし、それが[[クリーチャー]]であればマイナス[[修整]]を与えタフネスを0以下に減少させれば状況起因処理で[[墓地に置く|墓地に置かれる]]。 |
− | *[[ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus]] | + | **タフネスへのマイナス修整と[[ダメージ]]の混同に注意。例えば、11/11破壊不能の[[ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus]]に10点のダメージを[[与える|与えて]]から[[吐き気/Nausea]]でタフネスを1だけ減少させたとしても除去はできない。それは「10点のダメージを負ったタフネスが10のクリーチャー」である。 |
+ | *破壊不能にはダメージを[[軽減]]したり取り除く機能はなく、ダメージは通常通り与えられる。致死ダメージを負っている状態でのみ、致死ダメージに関する[[状況起因処理]]についてチェックされなくなるだけである。致死ダメージを負っている状態で破壊不能を失えば、次の状況起因処理のチェックが生じた時に破壊される。 | ||
*破壊不能を持つパーマネントに[[再生]]の盾を張ることはできるが、[[置換効果|置換]]すべき[[イベント]]が発生しないので実際に再生することはない。 | *破壊不能を持つパーマネントに[[再生]]の盾を張ることはできるが、[[置換効果|置換]]すべき[[イベント]]が発生しないので実際に再生することはない。 | ||
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破壊不能を最初から持つパーマネントは「~は破壊されない」の頃と同じ挙動だが、破壊不能を与える[[効果]]に関しては現在と異なる挙動をとる場合があった。 | 破壊不能を最初から持つパーマネントは「~は破壊されない」の頃と同じ挙動だが、破壊不能を与える[[効果]]に関しては現在と異なる挙動をとる場合があった。 | ||
− | 「あなたがコントロールするパーマネントはこのターン破壊されない。」という[[インスタント]] | + | 「あなたがコントロールするパーマネントはこのターン破壊されない。」という[[インスタント]]の効果が適用された場合、以下の2点で現在と異なる。 |
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#*現在は「破壊不能」という能力として与えるため、[[継続的効果]]の[[種類別]]の影響を受け、「破壊されない」状態を失う可能性がある。 | #*現在は「破壊不能」という能力として与えるため、[[継続的効果]]の[[種類別]]の影響を受け、「破壊されない」状態を失う可能性がある。 | ||
#特性を変更しない継続的効果であったため、このターン、後から戦場に出たクリーチャーも「破壊されない」状態になっていた。 | #特性を変更しない継続的効果であったため、このターン、後から戦場に出たクリーチャーも「破壊されない」状態になっていた。 | ||
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− | 長らく「~は破壊されない」はキーワード能力になると予想されてきたが、その質問に対して、当時の[[R&D]]は3, | + | 長らく「~は破壊されない」はキーワード能力になると予想されてきたが、その質問に対して、当時の[[R&D]]は3,4単語程度で済むシンプルな表現なので、キーワード化する必要はない旨の回答を返していた。 |
− | + | この回答自身は今でも妥当であったが、実際には、多くのプレイヤーがこの性質をキーワード能力として解釈しており、R&Dのほとんどのメンバーですら同じように解釈していたようである。[[Mark Rosewater]]の「人間の本能には勝てない」の言葉にならい、基本セット2014発売に伴う[[2013年]]7月13日の[[総合ルール]]更新で、キーワード能力に変更されることとなった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-2014-core-set-rules-preview-2013-05-23 Magic 2014 Core Set Rules Preview]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/『マジック基本セット2014』に伴うルール変更-2013-05-23 『マジック基本セット2014』に伴うルール変更](Making Magic 2013年5月23日 [[Matt Tabak]]著)</ref>。 | |
− | *[ | + | *ダークスティールのデベロップ段階でキーワード能力にすることも検討されていたが、「Gain Indestructible(破壊不能を得る)」の語感がすっきりせず、「~は破壊されない」のような言い回しにしたかったことから、キーワード能力にはされなかった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/developing-indestructibility-2004-01-09-0 Developing Indestructibility](Latest Developments [[2004年]]1月9日 [[Randy Buehler]]著)</ref>。 |
==破壊不能クリーチャーの対処法== | ==破壊不能クリーチャーの対処法== | ||
− | + | 以下には、特に破壊不能を持つクリーチャーを除去したり無力化したりする対処法の例を示す。 | |
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+ | *[[剣を鍬に/Swords to Plowshares]]などにより[[追放]]する。 | ||
+ | *[[悪魔の布告/Diabolic Edict]]などにより[[生け贄に捧げる|生け贄に捧げ]]させる。 | ||
+ | *[[悲劇的な過ち/Tragic Slip]]などによりタフネスを0以下にする。 | ||
+ | *[[糾弾/Condemn]]などにより[[ライブラリー]]に[[戻す]]。 | ||
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+ | また、デッキによっては破壊不能を持つクリーチャーを除去することを考えず、無視して[[勝利]]を狙うことも一つの手である。 | ||
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+ | ==ダークスティール以前に作られた破壊不能に関するカード== | ||
+ | *[[土地の聖別/Consecrate Land]] | ||
+ | *[[Guardian Beast]] | ||
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+ | ==破壊不能を失わせるカード== | ||
+ | *[[死すべき定め/Bonds of Mortality]] | ||
+ | *[[内部着火/Burn from Within]] | ||
+ | *[[破滅の刻/Hour of Devastation]] | ||
+ | *[[影槍/Shadowspear]] | ||
+ | *[[魂焦がし/Soul Sear]] | ||
+ | *[[究極浄化/Exterminatus]] | ||
+ | *[[一斉蜂起/Rebel Salvo]] | ||
+ | *[[不死者の討滅/Smite the Deathless]] | ||
+ | *[[シェイ・コーマック/Shay Cormac]] | ||
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==参考== | ==参考== | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/beyond-basics/indestructible-inspiration-2017-09-21 Indestructible Inspiration]/[https://mtg-jp.com/reading/bb/0019577/ 破壊不能のひらめき](Beyond the Basics [[2017年]]9月21日 [[Gavin Verhey]]著) | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/storm-scale-mirrodin-and-scars-mirrodin-blocks-2018-06-11 Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0030689/ ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック]([[Making Magic]] [[2018年]]6月11日 [[Mark Rosewater]]著) | ||
*{{WHISPER検索/カードテキスト|破壊不能}} | *{{WHISPER検索/カードテキスト|破壊不能}} | ||
+ | *[[再生]] | ||
*[[キーワード能力]] | *[[キーワード能力]] | ||
*[[常磐木]] | *[[常磐木]] | ||
*[[ルーリング#キーワード能力|ルーリング]] | *[[ルーリング#キーワード能力|ルーリング]] | ||
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2024年7月1日 (月) 14:27時点における最新版
破壊不能/Indestructible | |
---|---|
種別 | 常在型能力 |
登場セット | 多数 |
CR | CR:702.12 |
破壊不能(はかいふのう)/Indestructibleは、基本セット2014で制定されたキーワード能力。パーマネントが持つ常在型能力である。常磐木キーワードに分類される。
クリーチャー — 天使(Angel)
飛行
破壊不能(ダメージや「破壊」と書かれた効果では、このクリーチャーは破壊されない。これのタフネスが0以下であるなら、これはオーナーの墓地に置かれる。)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(パーマネント)
エンチャントされているパーマネントは破壊不能を持つ。(「破壊する」効果では、そのパーマネントは破壊されない。破壊不能を持つクリーチャーは、ダメージによって破壊されない。)
目次 |
[編集] 定義
破壊不能/Indestructibleを持つパーマネントは破壊されない。そのようなパーマネントは致死ダメージによって破壊されず、それらは致死ダメージをチェックする状況起因処理を無視する。
[編集] 解説
「~は破壊されない(is indestructible)」という能力をキーワード能力化したものである。これと同じ能力を持つカードや、破壊されなくする効果をもたらすカードは、2013年7月のオラクル更新で破壊不能を持つ・与えるように変更された。
破壊不能を持つパーマネントは、殺害/Murderなどのそのパーマネントを破壊する効果を無視し、「致死ダメージを負ったタフネスが1以上であるクリーチャーは破壊される」および「前回の状況起因処理のチェック以降に接死を持つ発生源からダメージを受けた、タフネスが正の値であるクリーチャーは破壊される」という状況起因処理も無視する。
破壊不能を持つパーマネントの代表例はダークスティールの巨像/Darksteel Colossus。ミラディン・ブロックおよびミラディンの傷跡ブロックの破壊不能パーマネントのカード名に多く使われている「ダークスティール/Darksteel」は、ミラディン/Mirrodinに存在する、壊れることのない金属のこと。
この能力を持つカードが多く追加されたダークスティールのプレビュー記事では、「破壊されないのはアーティファクトだけ」とされており、実際ミラディン・ブロックではアーティファクト以外で破壊不能を持つパーマネントや、アーティファクト以外に破壊不能を与えるカードは存在しなかった。その後、神河物語でアーティファクトでない破壊不能クリーチャーが登場し、それ以後も他のカード・タイプで破壊不能を持つカードや破壊不能を付加するカードが登場している。
破壊不能は全色に存在し、アーティファクトを除くと白に最も多く、次いで緑、黒の順。また、破壊不能を持つサイクルとして明神やテーロス・ブロックの神およびアモンケットの神がある。
カラデシュ以降、ルールが複雑だった再生の代用として「ターン終了時まで破壊不能を得る」という形で表現されるケースが多い[1]。再生の項も参照。
[編集] ルール
- あくまでも破壊されることを無視するだけで、戦場を離れないわけではない。生け贄に捧げることはできるし、追放することで除去することはできるし、それがクリーチャーであればマイナス修整を与えタフネスを0以下に減少させれば状況起因処理で墓地に置かれる。
- タフネスへのマイナス修整とダメージの混同に注意。例えば、11/11破壊不能のダークスティールの巨像/Darksteel Colossusに10点のダメージを与えてから吐き気/Nauseaでタフネスを1だけ減少させたとしても除去はできない。それは「10点のダメージを負ったタフネスが10のクリーチャー」である。
- 破壊不能にはダメージを軽減したり取り除く機能はなく、ダメージは通常通り与えられる。致死ダメージを負っている状態でのみ、致死ダメージに関する状況起因処理についてチェックされなくなるだけである。致死ダメージを負っている状態で破壊不能を失えば、次の状況起因処理のチェックが生じた時に破壊される。
- 破壊不能を持つパーマネントに再生の盾を張ることはできるが、置換すべきイベントが発生しないので実際に再生することはない。
[編集] 破壊不能が制定される前のルール
破壊不能を最初から持つパーマネントは「~は破壊されない」の頃と同じ挙動だが、破壊不能を与える効果に関しては現在と異なる挙動をとる場合があった。
「あなたがコントロールするパーマネントはこのターン破壊されない。」というインスタントの効果が適用された場合、以下の2点で現在と異なる。
- この「破壊されない」は能力でも特性でもなく単にルールを変更するだけなので、この後にパーマネントが何らかの方法で能力を失ったとしても「破壊されない」状態のままになっていた。
- 特性を変更しない継続的効果であったため、このターン、後から戦場に出たクリーチャーも「破壊されない」状態になっていた。
- 現在は能力という特性を変更するため、後から戦場に出たクリーチャーは「破壊されない」状態にはならない。
[編集] 変更の経緯
長らく「~は破壊されない」はキーワード能力になると予想されてきたが、その質問に対して、当時のR&Dは3,4単語程度で済むシンプルな表現なので、キーワード化する必要はない旨の回答を返していた。
この回答自身は今でも妥当であったが、実際には、多くのプレイヤーがこの性質をキーワード能力として解釈しており、R&Dのほとんどのメンバーですら同じように解釈していたようである。Mark Rosewaterの「人間の本能には勝てない」の言葉にならい、基本セット2014発売に伴う2013年7月13日の総合ルール更新で、キーワード能力に変更されることとなった[2]。
- ダークスティールのデベロップ段階でキーワード能力にすることも検討されていたが、「Gain Indestructible(破壊不能を得る)」の語感がすっきりせず、「~は破壊されない」のような言い回しにしたかったことから、キーワード能力にはされなかった[3]。
[編集] 破壊不能クリーチャーの対処法
以下には、特に破壊不能を持つクリーチャーを除去したり無力化したりする対処法の例を示す。
- 剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどにより追放する。
- 悪魔の布告/Diabolic Edictなどにより生け贄に捧げさせる。
- 悲劇的な過ち/Tragic Slipなどによりタフネスを0以下にする。
- 糾弾/Condemnなどによりライブラリーに戻す。
- 平和な心/Pacifismなどにより攻撃やブロックに制限を課す。
- 送還/Unsummonなどによりバウンスする。
- 謙虚/Humilityなどにより能力を失わせる。
- 支配魔法/Control Magicなどによりコントロールを奪う。
- おとりの達人/Master Decoyなどによりタップさせる。
また、デッキによっては破壊不能を持つクリーチャーを除去することを考えず、無視して勝利を狙うことも一つの手である。
[編集] ダークスティール以前に作られた破壊不能に関するカード
[編集] 破壊不能を失わせるカード
- 死すべき定め/Bonds of Mortality
- 内部着火/Burn from Within
- 破滅の刻/Hour of Devastation
- 影槍/Shadowspear
- 魂焦がし/Soul Sear
- 究極浄化/Exterminatus
- 一斉蜂起/Rebel Salvo
- 不死者の討滅/Smite the Deathless
- シェイ・コーマック/Shay Cormac
[編集] 脚注
- ↑ Odds and Ends: Kaladesh, Part 3/こぼれ話:『カラデシュ』 その3(Making Magic 2016年10月31日 Mark Rosewater著)
- ↑ Magic 2014 Core Set Rules Preview/『マジック基本セット2014』に伴うルール変更(Making Magic 2013年5月23日 Matt Tabak著)
- ↑ Developing Indestructibility(Latest Developments 2004年1月9日 Randy Buehler著)
[編集] 参考
- Indestructible Inspiration/破壊不能のひらめき(Beyond the Basics 2017年9月21日 Gavin Verhey著)
- Storm Scale: Mirrodin and Scars of Mirrodin Blocks/ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック(Making Magic 2018年6月11日 Mark Rosewater著)
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