包囲戦
提供:MTG Wiki
(→ルール: ルール上の誤り(トークンは消滅前、MDFCは第2面を持つ)) |
|||
(2人の利用者による、間の11版が非表示) | |||
1行: | 1行: | ||
'''包囲戦'''/''Siege''は、[[バトル・タイプ]]の1つ。 | '''包囲戦'''/''Siege''は、[[バトル・タイプ]]の1つ。 | ||
− | + | {{#card:Invasion of Dominaria}} | |
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | + | ||
− | }} | + | |
==解説== | ==解説== | ||
− | [[機械兵団の進軍]]で[[バトル]]が初登場すると同時に追加されたバトル・タイプ。このタイプを持つ[[カード]]はすべて[[変身する両面カード]]であり、[[第1面]] | + | [[機械兵団の進軍]]で[[バトル]]が初登場すると同時に追加されたバトル・タイプ。このタイプを持つ[[カード]]はすべて[[変身する両面カード]]であり、[[第1面]]が横向きに印刷されている({{Gatherer|id=608720|カード画像}})。包囲戦を持つバトルは[[対戦相手]]が守る者になり、最後の[[守備カウンター]]を[[取り除く]]ことができれば[[第2面]]を[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]ことができる。 |
[[プレイヤー]]以外の攻撃目標という点では[[プレインズウォーカー]]に近いが、そちらは自分のプレインズウォーカーを[[対戦相手]]の攻撃から守る必要があるのに対し、包囲戦は自分が出すと対戦相手に守る権利が生じ、それを倒すことで利益が得られる。 | [[プレイヤー]]以外の攻撃目標という点では[[プレインズウォーカー]]に近いが、そちらは自分のプレインズウォーカーを[[対戦相手]]の攻撃から守る必要があるのに対し、包囲戦は自分が出すと対戦相手に守る権利が生じ、それを倒すことで利益が得られる。 | ||
機械兵団の進軍に収録されたバトルはすべて包囲戦であり、[[カード名]]が○○への侵攻/Invasion of ○○で統一されている。[[新ファイレクシアへの侵攻/Invasion of New Phyrexia]]以外は[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]による各[[次元/Plane]]への侵略を表しており、[[第2面]]はその次元が新ファイレクシアを退ける助けとなったものを表している<ref name="0036821">[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/march-of-the-machine-learning-part-2 March of the Machine Learning, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036821/ 『機械兵団の進軍』の学び その2]([[Making Magic]] [[2023年]]4月3日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。[[無色]]を含めたすべての[[色]]に存在し、いずれも[[戦場に出た]]ときの[[誘発型能力]]を持つ。 | 機械兵団の進軍に収録されたバトルはすべて包囲戦であり、[[カード名]]が○○への侵攻/Invasion of ○○で統一されている。[[新ファイレクシアへの侵攻/Invasion of New Phyrexia]]以外は[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]による各[[次元/Plane]]への侵略を表しており、[[第2面]]はその次元が新ファイレクシアを退ける助けとなったものを表している<ref name="0036821">[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/march-of-the-machine-learning-part-2 March of the Machine Learning, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036821/ 『機械兵団の進軍』の学び その2]([[Making Magic]] [[2023年]]4月3日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。[[無色]]を含めたすべての[[色]]に存在し、いずれも[[戦場に出た]]ときの[[誘発型能力]]を持つ。 | ||
+ | |||
+ | *第2面に変身する際に「[[唱える]]」というプロセスを挟むため、[[コスト増加カード]]や[[法の定め/Rule of Law]]などの唱えることに制限をかけるカードで変身を妨害される点に注意。同様に[[打ち消す|打ち消し]]でも妨害されうる。 | ||
==ルール== | ==ルール== | ||
27行: | 16行: | ||
**包囲戦を守る者がその包囲戦のコントロールを得た場合、そのプレイヤーから見た対戦相手1人を新しく守る者として選ぶ。これは[[状況起因処理]]である。 | **包囲戦を守る者がその包囲戦のコントロールを得た場合、そのプレイヤーから見た対戦相手1人を新しく守る者として選ぶ。これは[[状況起因処理]]である。 | ||
*すべての包囲戦は、「この[[パーマネント]]の上から最後の[[守備カウンター]]が取り除かれたとき、これを[[追放]]し、[[変身]]させた状態で[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストを支払うことなく唱え]]てもよい。」という[[誘発型能力]]を持つ。 | *すべての包囲戦は、「この[[パーマネント]]の上から最後の[[守備カウンター]]が取り除かれたとき、これを[[追放]]し、[[変身]]させた状態で[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストを支払うことなく唱え]]てもよい。」という[[誘発型能力]]を持つ。 | ||
− | **[[もみ消し/Stifle]]などでこの能力を打ち消した場合、「守備値が0であり、かつそれが『誘発して[[スタック]]を離れていない[[誘発型能力]]の[[発生源]]』でないバトルは[[ | + | **誰が最後の守備カウンターを取り除いたかに関わらず、コントローラーのみがそれを唱えられる。 |
+ | **変身させた状態で唱えなかった(唱えられなかった)場合、それは追放されたままである。 | ||
+ | **[[もみ消し/Stifle]]などでこの能力を打ち消した場合、「守備値が0であり、かつそれが『誘発して[[スタック]]を離れていない[[誘発型能力]]の[[発生源]]』でないバトルは[[墓地]]に[[置く|置かれる]]」というルールに基づき[[状況起因処理]]で墓地に置かれる。 | ||
**守備カウンターを取り除く以外の方法で戦場から離した場合はこの能力は誘発しない。 | **守備カウンターを取り除く以外の方法で戦場から離した場合はこの能力は誘発しない。 | ||
**守備カウンターが置かれずに戦場に出た場合も「最後の守備カウンターを取り除く」ことができないため誘発しない。 | **守備カウンターが置かれずに戦場に出た場合も「最後の守備カウンターを取り除く」ことができないため誘発しない。 | ||
− | **包囲戦のコピーとなった[[変身する両面カード|変身する両面パーマネント]]が追放された場合も、そのカードの第2面で唱えられる。[[培養器]] | + | **包囲戦のコピーとなった[[変身する両面カード|変身する両面パーマネント]]が追放された場合も、そのカードの第2面で唱えられる。[[培養器]]のような変身する両面トークンは追放領域に移動すると他の領域に移動できないため唱えられない。変身する両面カードでないカードがバトルのコピーになった場合も、変身した状態で唱えることはできず追放されたままである。 |
− | *第2面の[[スタック]]上および[[戦場]]における[[マナ総量]]は第1面をもとに算出する({{CR| | + | *第2面の[[スタック]]上および[[戦場]]における[[マナ総量]]は第1面をもとに算出する({{CR|{{その他のルールのCR番号|両面カード}}.8c}})。 |
その他、バトルに関するルールについては[[バトル]]を、変身する両面カードに関するルールについては[[両面カード]]を参照のこと。 | その他、バトルに関するルールについては[[バトル]]を、変身する両面カードに関するルールについては[[両面カード]]を参照のこと。 | ||
+ | |||
==開発秘話== | ==開発秘話== | ||
包囲戦、ひいてはバトルという[[カード・タイプ]]の原点は[[次元/Plane]]そのものを表すカードというアイデアにある。[[展望デザイン]]は変身する両面土地を考案していたが、これはバランス調整の難しさや新奇性の薄さといった難点を抱えていた。[[セット・デザイン]]はより斬新であり、かつ戦争の雰囲気を表しているものを求めてブレインストーミングしたところ、彼らは[[激戦の戦域/Contested War Zone]]や[[ストリクスヘイヴンの競技場/Strixhaven Stadium]]のような[[戦闘]]関連の[[メカニズム]]に興味を持った。中でも、「コントローラーが攻撃して対戦相手が防御する[[パーマネント]]」というものが好評であった。 | 包囲戦、ひいてはバトルという[[カード・タイプ]]の原点は[[次元/Plane]]そのものを表すカードというアイデアにある。[[展望デザイン]]は変身する両面土地を考案していたが、これはバランス調整の難しさや新奇性の薄さといった難点を抱えていた。[[セット・デザイン]]はより斬新であり、かつ戦争の雰囲気を表しているものを求めてブレインストーミングしたところ、彼らは[[激戦の戦域/Contested War Zone]]や[[ストリクスヘイヴンの競技場/Strixhaven Stadium]]のような[[戦闘]]関連の[[メカニズム]]に興味を持った。中でも、「コントローラーが攻撃して対戦相手が防御する[[パーマネント]]」というものが好評であった。 | ||
44行: | 36行: | ||
<references /> | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *{{WHISPER検索/カードテキスト|{Siege}| | + | *{{WHISPER検索/カードテキスト|{Siege}|包囲戦(Siege)}} |
*[[サブタイプ]] | *[[サブタイプ]] | ||
**[[バトル・タイプ]] | **[[バトル・タイプ]] | ||
50行: | 42行: | ||
**[[変身する両面カード]] | **[[変身する両面カード]] | ||
*[[ルーリング]] | *[[ルーリング]] | ||
− | + | {{#cr:205.3q}} | |
− | {{#cr:310.}} | + | {{#cr:310.11}} |
2024年2月17日 (土) 03:10時点における最新版
包囲戦/Siegeは、バトル・タイプの1つ。
バトル — 包囲戦(Siege)
(包囲戦(Siege)1つが戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身させた状態で唱える。)
ドミナリアへの侵攻が戦場に出たとき、あなたは4点のライフを得て、カード1枚を引く。
Serra Faithkeeper / セラの信仰守り
〔白〕 クリーチャー — 天使(Angel)
飛行、警戒
4/4目次 |
[編集] 解説
機械兵団の進軍でバトルが初登場すると同時に追加されたバトル・タイプ。このタイプを持つカードはすべて変身する両面カードであり、第1面が横向きに印刷されている(カード画像)。包囲戦を持つバトルは対戦相手が守る者になり、最後の守備カウンターを取り除くことができれば第2面をマナ・コストを支払うことなく唱えることができる。
プレイヤー以外の攻撃目標という点ではプレインズウォーカーに近いが、そちらは自分のプレインズウォーカーを対戦相手の攻撃から守る必要があるのに対し、包囲戦は自分が出すと対戦相手に守る権利が生じ、それを倒すことで利益が得られる。
機械兵団の進軍に収録されたバトルはすべて包囲戦であり、カード名が○○への侵攻/Invasion of ○○で統一されている。新ファイレクシアへの侵攻/Invasion of New Phyrexia以外は新ファイレクシア/New Phyrexiaによる各次元/Planeへの侵略を表しており、第2面はその次元が新ファイレクシアを退ける助けとなったものを表している[1]。無色を含めたすべての色に存在し、いずれも戦場に出たときの誘発型能力を持つ。
- 第2面に変身する際に「唱える」というプロセスを挟むため、コスト増加カードや法の定め/Rule of Lawなどの唱えることに制限をかけるカードで変身を妨害される点に注意。同様に打ち消しでも妨害されうる。
[編集] ルール
- 包囲戦が戦場に出るに際し、そのコントローラーはその包囲戦を守る者を対戦相手の中から選ぶ。これは対象を取る効果ではない。
- 包囲戦を守る者になれるのはそのコントローラーから見た対戦相手だけである。
- 包囲戦を守る者がその包囲戦のコントロールを得た場合、そのプレイヤーから見た対戦相手1人を新しく守る者として選ぶ。これは状況起因処理である。
- すべての包囲戦は、「このパーマネントの上から最後の守備カウンターが取り除かれたとき、これを追放し、変身させた状態でマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。」という誘発型能力を持つ。
- 誰が最後の守備カウンターを取り除いたかに関わらず、コントローラーのみがそれを唱えられる。
- 変身させた状態で唱えなかった(唱えられなかった)場合、それは追放されたままである。
- もみ消し/Stifleなどでこの能力を打ち消した場合、「守備値が0であり、かつそれが『誘発してスタックを離れていない誘発型能力の発生源』でないバトルは墓地に置かれる」というルールに基づき状況起因処理で墓地に置かれる。
- 守備カウンターを取り除く以外の方法で戦場から離した場合はこの能力は誘発しない。
- 守備カウンターが置かれずに戦場に出た場合も「最後の守備カウンターを取り除く」ことができないため誘発しない。
- 包囲戦のコピーとなった変身する両面パーマネントが追放された場合も、そのカードの第2面で唱えられる。培養器のような変身する両面トークンは追放領域に移動すると他の領域に移動できないため唱えられない。変身する両面カードでないカードがバトルのコピーになった場合も、変身した状態で唱えることはできず追放されたままである。
- 第2面のスタック上および戦場におけるマナ総量は第1面をもとに算出する(CR:712.8c)。
その他、バトルに関するルールについてはバトルを、変身する両面カードに関するルールについては両面カードを参照のこと。
[編集] 開発秘話
包囲戦、ひいてはバトルというカード・タイプの原点は次元/Planeそのものを表すカードというアイデアにある。展望デザインは変身する両面土地を考案していたが、これはバランス調整の難しさや新奇性の薄さといった難点を抱えていた。セット・デザインはより斬新であり、かつ戦争の雰囲気を表しているものを求めてブレインストーミングしたところ、彼らは激戦の戦域/Contested War Zoneやストリクスヘイヴンの競技場/Strixhaven Stadiumのような戦闘関連のメカニズムに興味を持った。中でも、「コントローラーが攻撃して対戦相手が防御するパーマネント」というものが好評であった。
当初は片面カードであったが、倒すことで得られる利益を第2面にするというアイデアから変身する両面カードとなった。これによって利用可能なイラストとルール・テキストの量が増え、次元のフレイバーをより魅力的に描けるようになった。また、ルール・テキストの量を増やせることで第1面にETB能力を持たせられるようになり、デッキに入れるのに十分な価値を持たせられるようになった。こうした点から、開発部は新しいカード・タイプを導入できるほどの斬新さを持つと判断し、バトルが生まれた。
その後も細かな調整がいくつかなされた。第2面をパーマネントでないものにもできるようにするため、バトルは直接変身するのではなく一度追放されてから唱えられるようになった。デジタルゲームへの配慮のため唱えることは任意になった。また、プレイ・デザインの懸念に対応するため、カウンターが取り除かれることでのみ変身するようになった[1]。
[編集] 脚注
- ↑ 1.0 1.1 March of the Machine Learning, Part 2/『機械兵団の進軍』の学び その2(Making Magic 2023年4月3日 Mark Rosewater著)