放浪皇/The Wandering Emperor
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− | :通常のプレインズウォーカーはクリーチャーの[[攻撃]]で倒されやすいが、このカードは[[対戦相手]]の[[攻撃クリーチャー指定ステップ]] | + | :通常のプレインズウォーカーはクリーチャーの[[攻撃]]で倒されやすいが、このカードは[[対戦相手]]の[[攻撃クリーチャー指定ステップ]]以降に出すことで基本的に攻撃目標にされず安全に[[能力]]を使うことが可能となっている。 |
:初期[[忠誠度]]が低く、自分のターン中に出すと生き残るのが難しいのでなるべく対戦相手のターン中に[[唱える|唱え]]ていきたいところ。 | :初期[[忠誠度]]が低く、自分のターン中に出すと生き残るのが難しいのでなるべく対戦相手のターン中に[[唱える|唱え]]ていきたいところ。 | ||
:*背景ストーリー上で彼女が持つ、瞬間的にプレインズウォークできる体質を表現したものと思われる。 | :*背景ストーリー上で彼女が持つ、瞬間的にプレインズウォークできる体質を表現したものと思われる。 | ||
+ | :*攻撃クリーチャー指定ステップ以降に出した場合も、[[攻撃している状態で戦場に出る]]効果では攻撃されることがあるので注意。 | ||
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:[[+1/+1カウンター]]1個と一時的な[[先制攻撃]]の付与。 | :[[+1/+1カウンター]]1個と一時的な[[先制攻撃]]の付与。 | ||
:-1能力の存在により自前で[[強化]]先を用意できるため自己完結している。 | :-1能力の存在により自前で[[強化]]先を用意できるため自己完結している。 | ||
− | : | + | :常在型能力との組み合わせで[[コンバット・トリック]]としても利用可能。防御時だけでなく、自分の[[戦闘フェイズ]]中に放浪皇を唱えこれを起動することで相討ちを狙いに来た[[ブロック・クリーチャー]]を一方的に倒せたり最後の1点を削りきることができることは憶えておきたい。 |
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− | : | + | :おそらく対戦相手の攻撃クリーチャーを除去するために、瞬速から初手での起動が最も多くなる能力。 |
:消費する忠誠度の大きさに加え[[タップ]]状態のクリーチャーしか狙えない都合上、1枚の放浪皇でこの能力を2回以上有効に機能させられることは稀。そのため何を除去するかは慎重に考えたいところ。 | :消費する忠誠度の大きさに加え[[タップ]]状態のクリーチャーしか狙えない都合上、1枚の放浪皇でこの能力を2回以上有効に機能させられることは稀。そのため何を除去するかは慎重に考えたいところ。 | ||
+ | :*[[対応して]]アンタップされると[[対象不適正]]で[[立ち消え]]になる。[[眠り呪いのフェアリー/Sleep-Cursed Faerie]]など、自力でアンタップするパーマネントは狙わない方が良い。 | ||
− | [[ソーサリー・タイミング]] | + | [[ソーサリー・タイミング]]での動きが基本となる従来のプレインズウォーカーとは大きく性質が異なっており、インスタント・タイミングでの動きを重視する[[コントロールデッキ]]において[[打ち消し]]と併用して使えるほか、逆に[[ビート・コントロール]]がコントロールデッキの隙を突く使い方で強く出ることができる。 |
− | + | 忠誠度能力は派手なものは無いがそつがなく、[[ビートダウン]]相手では相手の攻撃に対して瞬速で登場して[+1]で既存のクリーチャーを強化して[[ブロック]]する、[-1]でトークンを生成してブロックする、[-2]で攻撃クリーチャーを除去するの3択を選ぶことができる。少数のクリーチャーに依存する[[クロック・パーミッション]]に対しては[[キーカード]]をピンポイントに狩れるため優位。コントロールデッキ相手でも相手ターンの[[全体除去]]後に唱えたり、あるいは自分の[[終了ステップ]]時に相手が[[ドロー]]呪文などで態勢を整えようと[[フルタップ]]した隙に唱えて要除去対象を並べてターンを渡すことができる。総合的な汎用性は非常に高い。 | |
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+ | 初期忠誠度は低めなため除去はされやすいが、使い捨ての動きでも十分強いため[[伝説]]にも関わらず4枚採用されることが少なくない。放浪皇と[[プレイヤー]]に分けて攻撃されたので2枚目の放浪皇を展開しプレイヤーへ攻撃したクリーチャーを除去してビートダウンの1ターンを丸々潰す動きはスタンダードでもよく見られた。 | ||
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+ | 登場時の[[スタンダードの変遷#ゼンディカーの夜明け+カルドハイム+ストリクスヘイヴン:魔法学院+フォーゴトン・レルム探訪+イニストラード:真夜中の狩り+イニストラード:真紅の契り+神河:輝ける世界+ニューカペナの街角期|ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期]]の[[スタンダード]]では[[白ウィニー/スタンダード/ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期|白単アグロ]]や[[青白黒コントロール#ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期|エスパー・フレンズ]]などデッキタイプを選ばずに採用され、その強力さ故に[[警戒]]持ちのクリーチャーの評価が上がる活躍を見せた。[[ニューカペナの街角]]で[[護法]]で対処を遅らせる[[策謀の予見者、ラフィーン/Raffine, Scheming Seer]]が登場するが、逆にラフィーンと放浪皇を併用した[[白青黒ビートダウン#ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期|エスパー・ミッドレンジ]]で活躍した。[[イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期]]当初は[[白青黒ビートダウン#イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期|エスパー・ミッドレンジ]]が[[トップメタ]]となり、逆にラフィーンと[[スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben]]で放浪皇をシャットアウトする[[エスパー・レジェンズ]]で[[メタゲーム]]を分かった。その後はトークンと本体をまとめて始末できる[[絶望招来/Invoke Despair]]を使う[[青黒赤ビートダウン#イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期|グリクシス・ミッドレンジ]]に押され影は薄くなるも、[[ドメイン#イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期|ドメイン・コントロール]]などに採用された。スタンダードの[[ローテーション]]変更により続投することになった[[イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期]]でも、[[白青黒ビートダウン#イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期|エスパー・ミッドレンジ]]及び[[ドメイン#イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期|ドメイン・コントロール]]というトップメタのデッキ双方に採用される活躍を見せている。 | ||
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+ | [[パイオニア]]以下の[[フォーマット]]では、強力なプレインズウォーカーである[[ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria]]と[[色]]を共有し異なるマナコストである点、及びテフェリーの[[土地]]アンタップ能力とこれの瞬速能力がシナジーを形成する。[[白]]系のコントロールデッキで採用が散見される。 | ||
*正体が明らかになっても依然として[[プレインズウォーカー・タイプ]]を持たないのは、[[神河/Kamigawa]]の皇/The emperorは名を明かしてはならないという掟を反映したものか([[幼き日々/When We Were Young#ストーリー|幼き日々/When We Were Young]]の[[フレイバー・テキスト]]を参照)。 | *正体が明らかになっても依然として[[プレインズウォーカー・タイプ]]を持たないのは、[[神河/Kamigawa]]の皇/The emperorは名を明かしてはならないという掟を反映したものか([[幼き日々/When We Were Young#ストーリー|幼き日々/When We Were Young]]の[[フレイバー・テキスト]]を参照)。 | ||
+ | *[[2022年]]AUTUMNシーズンの[[プレインズウォーカー・チャンピオンシップ]]にて、優勝者に[[二見敬之]]による新規[[イラスト]]の、金盾のスタンプ付きの[[プレミアム]]仕様の[[プロモーション・カード]]が配布された<ref>[https://mtg-jp.com/reading/weeklymagicnews/0036356/ 2022年9月28日号](週刊マジックニュース 2022年9月28日 [[タソガレ]]著)</ref>。 | ||
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==ルール== | ==ルール== | ||
;常在型能力 | ;常在型能力 | ||
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詳細は[[放浪者/The Wanderer (ストーリー)]]を参照。 | 詳細は[[放浪者/The Wanderer (ストーリー)]]を参照。 | ||
− | + | ==脚注== | |
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
+ | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/card-preview/tokens-kamigawa-neon-dynasty The Tokens of Kamigawa: Neon Dynasty]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0035825/ 『神河:輝ける世界』のトークン]([[Daily MTG]] [[2022年]]2月10日) | ||
*[[カード個別評価:神河:輝ける世界]] - [[神話レア]] | *[[カード個別評価:神河:輝ける世界]] - [[神話レア]] | ||
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2024年1月11日 (木) 13:53時点における最新版
伝説のプレインズウォーカー
瞬速
放浪皇がこのターンに戦場に出たのであるかぎり、これの忠誠度能力を、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも起動してもよい。
[+1]:クリーチャー最大1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター1個を置く。ターン終了時まで、それは先制攻撃を得る。
[-1]:警戒を持つ白の2/2の侍(Samurai)クリーチャー・トークン1体を生成する。
[-2]:タップ状態のクリーチャー1体を対象とする。それを追放する。あなたは2点のライフを得る。
神河:輝ける世界でついに正体が判明した放浪者/The Wanderer。瞬速と戦場に出たターンならインスタント・タイミングで忠誠度能力を起動できる常在型能力を有する。忠誠度能力は単体強化、トークンの生成、クリーチャーへの追放除去。
- 常在型能力
- プレインズウォーカー初の瞬速と、それを活かせる戦場に出たターンのみインスタント・タイミングで忠誠度能力を使用可能にする能力の組み合わせ。
- 通常のプレインズウォーカーはクリーチャーの攻撃で倒されやすいが、このカードは対戦相手の攻撃クリーチャー指定ステップ以降に出すことで基本的に攻撃目標にされず安全に能力を使うことが可能となっている。
- 初期忠誠度が低く、自分のターン中に出すと生き残るのが難しいのでなるべく対戦相手のターン中に唱えていきたいところ。
- 背景ストーリー上で彼女が持つ、瞬間的にプレインズウォークできる体質を表現したものと思われる。
- 攻撃クリーチャー指定ステップ以降に出した場合も、攻撃している状態で戦場に出る効果では攻撃されることがあるので注意。
- +1能力
- +1/+1カウンター1個と一時的な先制攻撃の付与。
- -1能力の存在により自前で強化先を用意できるため自己完結している。
- 常在型能力との組み合わせでコンバット・トリックとしても利用可能。防御時だけでなく、自分の戦闘フェイズ中に放浪皇を唱えこれを起動することで相討ちを狙いに来たブロック・クリーチャーを一方的に倒せたり最後の1点を削りきることができることは憶えておきたい。
- -1能力
- 2/2警戒の侍を生成する。
- ファートリの短角獣/Huatli's Snubhornなどを考えるとトークンの質は2マナ相当である。それを初期状態からでも最高3回まで出せると考えればなかなか燃費が良い。
- 警戒を持つためブロッカーとして使いやすく、+1能力と組み合わせれば先制攻撃により討ち取られにくい攻撃を仕掛けることもできる。
- 対戦相手のターン中に生成すれば、返しのターンで即座に攻撃可能な点も美味しい。
- -2能力
- 剥離/Excoriate(インスタント・タイミングで使うことを考えると除名/Expelか)+2点のライフ回復。
- おそらく対戦相手の攻撃クリーチャーを除去するために、瞬速から初手での起動が最も多くなる能力。
- 消費する忠誠度の大きさに加えタップ状態のクリーチャーしか狙えない都合上、1枚の放浪皇でこの能力を2回以上有効に機能させられることは稀。そのため何を除去するかは慎重に考えたいところ。
- 対応してアンタップされると対象不適正で立ち消えになる。眠り呪いのフェアリー/Sleep-Cursed Faerieなど、自力でアンタップするパーマネントは狙わない方が良い。
ソーサリー・タイミングでの動きが基本となる従来のプレインズウォーカーとは大きく性質が異なっており、インスタント・タイミングでの動きを重視するコントロールデッキにおいて打ち消しと併用して使えるほか、逆にビート・コントロールがコントロールデッキの隙を突く使い方で強く出ることができる。
忠誠度能力は派手なものは無いがそつがなく、ビートダウン相手では相手の攻撃に対して瞬速で登場して[+1]で既存のクリーチャーを強化してブロックする、[-1]でトークンを生成してブロックする、[-2]で攻撃クリーチャーを除去するの3択を選ぶことができる。少数のクリーチャーに依存するクロック・パーミッションに対してはキーカードをピンポイントに狩れるため優位。コントロールデッキ相手でも相手ターンの全体除去後に唱えたり、あるいは自分の終了ステップ時に相手がドロー呪文などで態勢を整えようとフルタップした隙に唱えて要除去対象を並べてターンを渡すことができる。総合的な汎用性は非常に高い。
初期忠誠度は低めなため除去はされやすいが、使い捨ての動きでも十分強いため伝説にも関わらず4枚採用されることが少なくない。放浪皇とプレイヤーに分けて攻撃されたので2枚目の放浪皇を展開しプレイヤーへ攻撃したクリーチャーを除去してビートダウンの1ターンを丸々潰す動きはスタンダードでもよく見られた。
登場時のゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期のスタンダードでは白単アグロやエスパー・フレンズなどデッキタイプを選ばずに採用され、その強力さ故に警戒持ちのクリーチャーの評価が上がる活躍を見せた。ニューカペナの街角で護法で対処を遅らせる策謀の予見者、ラフィーン/Raffine, Scheming Seerが登場するが、逆にラフィーンと放浪皇を併用したエスパー・ミッドレンジで活躍した。イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期当初はエスパー・ミッドレンジがトップメタとなり、逆にラフィーンとスレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thrabenで放浪皇をシャットアウトするエスパー・レジェンズでメタゲームを分かった。その後はトークンと本体をまとめて始末できる絶望招来/Invoke Despairを使うグリクシス・ミッドレンジに押され影は薄くなるも、ドメイン・コントロールなどに採用された。スタンダードのローテーション変更により続投することになったイニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期でも、エスパー・ミッドレンジ及びドメイン・コントロールというトップメタのデッキ双方に採用される活躍を見せている。
パイオニア以下のフォーマットでは、強力なプレインズウォーカーであるドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominariaと色を共有し異なるマナコストである点、及びテフェリーの土地アンタップ能力とこれの瞬速能力がシナジーを形成する。白系のコントロールデッキで採用が散見される。
- 正体が明らかになっても依然としてプレインズウォーカー・タイプを持たないのは、神河/Kamigawaの皇/The emperorは名を明かしてはならないという掟を反映したものか(幼き日々/When We Were Youngのフレイバー・テキストを参照)。
- 2022年AUTUMNシーズンのプレインズウォーカー・チャンピオンシップにて、優勝者に二見敬之による新規イラストの、金盾のスタンプ付きのプレミアム仕様のプロモーション・カードが配布された[1]。
[編集] ルール
- 常在型能力
- この能力は忠誠度能力を起動できるタイミングを変更しているだけであり、忠誠度能力は1ターンに1度しか起動できないという制約はそのままである。
- 唱える以外の方法で戦場に出た場合も機能する。
- 例として、このターン既に忠誠度能力を起動した放浪皇を空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomadで明滅した場合、帰還した放浪皇はこのターン戦場に出た新しいオブジェクトであるため、終了ステップ中に忠誠度能力を起動できる。
[編集] 関連カード
- 放浪者/The Wanderer
- 放浪皇/The Wandering Emperor
- 永遠の放浪者/The Eternal Wanderer
- 放浪する救い手/The Wandering Rescuer
- Heroes of Kamigawa(Heroes of the Realm)
[編集] ストーリー
不安定なプレインズウォーク能力に悩まされながらも、とうとう故郷の神河/Kamigawaに帰還した放浪者/The Wanderer。彼女の正体は十年前に姿を消した神河の「皇/The emperor」であった。
詳細は放浪者/The Wanderer (ストーリー)を参照。
[編集] 脚注
- ↑ 2022年9月28日号(週刊マジックニュース 2022年9月28日 タソガレ著)