余剰のダメージ
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#ダメージを与える先がプレインズウォーカーなら、与えるダメージからその現在の忠誠度を差し引いた値が余剰のダメージである。それは同時に受けるダメージも考慮に入れる。 | #ダメージを与える先がプレインズウォーカーなら、与えるダメージからその現在の忠誠度を差し引いた値が余剰のダメージである。それは同時に受けるダメージも考慮に入れる。 | ||
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いくつかの[[誘発型能力]]の中にはパーマネントが余剰のダメージを受けることをチェックするものがある。それらはパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後にチェックされる。 | いくつかの[[誘発型能力]]の中にはパーマネントが余剰のダメージを受けることをチェックするものがある。それらはパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後にチェックされる。 | ||
#クリーチャーが1つ以上の発生源から致死ダメージを超えるダメージを受けたなら、そのダメージから致死ダメージを差し引いた点数の余剰のダメージを受けたことになる。 | #クリーチャーが1つ以上の発生源から致死ダメージを超えるダメージを受けたなら、そのダメージから致死ダメージを差し引いた点数の余剰のダメージを受けたことになる。 | ||
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*余剰ダメージを計算する時点で、[[軽減効果]]や[[置換効果]]は考慮されない。 | *余剰ダメージを計算する時点で、[[軽減効果]]や[[置換効果]]は考慮されない。 | ||
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*[[力の具現、ジローサ/Zilortha, Strength Incarnate]]の影響下では、[[致死ダメージ]]かの判定にもそのクリーチャーの[[パワー]]が使われる。パワーが0以下のクリーチャーへの致死ダメージは0点になり、すべてが余剰のダメージとなる<ref>[https://twitter.com/testing_box/status/1261211868430888960 @testing_box](認定ジャッジ運営の質問箱Twitter 2020年5月15日)</ref><ref>[https://twitter.com/testing_box/status/1269504524181331968 @testing_box](認定ジャッジ運営の質問箱Twitter 2020年6月7日)</ref>。 | *[[力の具現、ジローサ/Zilortha, Strength Incarnate]]の影響下では、[[致死ダメージ]]かの判定にもそのクリーチャーの[[パワー]]が使われる。パワーが0以下のクリーチャーへの致死ダメージは0点になり、すべてが余剰のダメージとなる<ref>[https://twitter.com/testing_box/status/1261211868430888960 @testing_box](認定ジャッジ運営の質問箱Twitter 2020年5月15日)</ref><ref>[https://twitter.com/testing_box/status/1269504524181331968 @testing_box](認定ジャッジ運営の質問箱Twitter 2020年6月7日)</ref>。 | ||
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*[[致死ダメージ]]の差分と言えるため、複数の[[ブロック・クリーチャー]]へ[[戦闘ダメージ]]を割り振るときや[[トランプル]]の処理に近い。 | *[[致死ダメージ]]の差分と言えるため、複数の[[ブロック・クリーチャー]]へ[[戦闘ダメージ]]を割り振るときや[[トランプル]]の処理に近い。 | ||
**戦闘ダメージと違って自動で割り振りが計算され、すべてのダメージを元のパーマネントへ割り振ることはできない。 | **戦闘ダメージと違って自動で割り振りが計算され、すべてのダメージを元のパーマネントへ割り振ることはできない。 | ||
− | *[[呪文]]にトランプルを持たせるという[[ | + | *[[呪文]]にトランプルを持たせるという[[アン・カード]]のアイデア([[飛び切りの殺人光線/Super-Duper Death Ray]])を、通常の[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[ルール]]で処理したものと言える。 |
− | **このアイデアは[[液状の火/Liquid Fire]]をはじめとして昔から何回も検討されていたが、[[Mark Rosewater]] | + | **このアイデアは[[液状の火/Liquid Fire]]をはじめとして昔から何回も検討されていたが、[[Mark Rosewater]]はついに諦めてアン・カードで実装した。だが[[David Humpherys]]によって[[黒枠]]で同様の機能を実現する方法が見つかり、[[イコリア:巨獣の棲処]]で正式なルールとなった<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0033957/ 『イコリア』の目 その1](Making Magic 2020年4月20日)</ref>。その後[[カルドハイム]]にて改めてルールの整備が行われ、プレインズウォーカーへの余剰のダメージも制定されると共に[[怒りの神、トラルフ/Toralf, God of Fury]]と[[氷結する火炎、エーガー/Aegar, the Freezing Flame]]のように余剰のダメージが与えられたことを参照するカードも登場するようになった。 |
==参考== | ==参考== | ||
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2023年7月3日 (月) 04:07時点における最新版
余剰のダメージ/Excess Damageとは、クリーチャーのタフネスか、プレインズウォーカーの忠誠度か、バトルの守備値を超えるダメージのことである。
Flame Spill / 炎の氾濫 (2)(赤)
インスタント
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。炎の氾濫はそれに4点のダメージを与える。余剰のダメージは、代わりにそのクリーチャーのコントローラーに与える。
Unleash the Inferno / 豪火を放て (1)(黒)(赤)(緑)
インスタント
インスタント
クリーチャーやプレインズウォーカーのうち1体を対象とする。豪火を放てはそれに7点のダメージを与える。この方法でこれが余剰のダメージを与えたとき、対戦相手1人がコントロールしていてマナ総量がその余剰のダメージの点数以下であるアーティファクトやエンチャントのうち1つを対象とする。それを破壊する。
目次 |
[編集] ルール
パーマネントにダメージを与える効果の中には、余剰のダメージをそのパーマネント以外のパーマネントやプレイヤーに与えるよう指示するものがある。
- ダメージを与える先がクリーチャーなら、与えるダメージから致死ダメージを差し引いた値が余剰のダメージである。それはそのクリーチャーが既に受けていたダメージや、同時に受けるダメージも考慮に入れる。
- ダメージを与える先がプレインズウォーカーなら、与えるダメージからその現在の忠誠度を差し引いた値が余剰のダメージである。それは同時に受けるダメージも考慮に入れる。
- ダメージを与える先がバトルなら、与えるダメージからその現在の守備値を差し引いた値が余剰のダメージである。それは同時に受けるダメージも考慮に入れる。
- ダメージを与える先がクリーチャー、プレインズウォーカー、バトルのうち複数に該当する場合、余剰のダメージは1.2.3の内いずれか大きい方である。
いくつかの誘発型能力の中にはパーマネントが余剰のダメージを受けることをチェックするものがある。それらはパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後にチェックされる。
- クリーチャーが1つ以上の発生源から致死ダメージを超えるダメージを受けたなら、そのダメージから致死ダメージを差し引いた点数の余剰のダメージを受けたことになる。
- プレインズウォーカーが1つ以上の発生源からそのダメージを受ける前の忠誠度以上のダメージを受けたなら、そのダメージから過去の忠誠度を差し引いた点数の余剰のダメージを受けたことになる。
- バトルが1つ以上の発生源からそのダメージを受ける前の守備値以上のダメージを受けたなら、そのダメージから過去の守備値を差し引いた点数の余剰のダメージを受けたことになる。
- クリーチャー、プレインズウォーカー、バトルのうち複数に該当するパーマネントがダメージを受けたなら、そのパーマネントが受けた余剰のダメージは1.2.3の内いずれか大きい方である。
- 余剰ダメージを計算する時点で、軽減効果や置換効果は考慮されない。
- 例:あなたが燃えさし口のヘリオン/Embermaw Hellionをコントロールしておりタフネスが2のクリーチャーに炎の氾濫/Flame Spillを唱えた場合、ヘリオンによるダメージ増加は割り振りの考慮に入らないので、クリーチャー/プレイヤーへのダメージの割り振りは2:2であり、それがヘリオンの効果によって3:3になる。
- 例:対戦相手が板金鎧のペガサス/Plated Pegasusをコントロールしておりタフネス2のクリーチャーに炎の氾濫を唱えた場合、軽減効果は割り振りの考慮に入らないので、クリーチャー/プレイヤーへのダメージの割り振りは2:2であり、軽減された結果1:1になる。
- 力の具現、ジローサ/Zilortha, Strength Incarnateの影響下では、致死ダメージかの判定にもそのクリーチャーのパワーが使われる。パワーが0以下のクリーチャーへの致死ダメージは0点になり、すべてが余剰のダメージとなる[1][2]。
[編集] その他
- 致死ダメージの差分と言えるため、複数のブロック・クリーチャーへ戦闘ダメージを割り振るときやトランプルの処理に近い。
- 戦闘ダメージと違って自動で割り振りが計算され、すべてのダメージを元のパーマネントへ割り振ることはできない。
- 呪文にトランプルを持たせるというアン・カードのアイデア(飛び切りの殺人光線/Super-Duper Death Ray)を、通常のマジックのルールで処理したものと言える。
- このアイデアは液状の火/Liquid Fireをはじめとして昔から何回も検討されていたが、Mark Rosewaterはついに諦めてアン・カードで実装した。だがDavid Humpherysによって黒枠で同様の機能を実現する方法が見つかり、イコリア:巨獣の棲処で正式なルールとなった[3]。その後カルドハイムにて改めてルールの整備が行われ、プレインズウォーカーへの余剰のダメージも制定されると共に怒りの神、トラルフ/Toralf, God of Furyと氷結する火炎、エーガー/Aegar, the Freezing Flameのように余剰のダメージが与えられたことを参照するカードも登場するようになった。
[編集] 参考
- ↑ @testing_box(認定ジャッジ運営の質問箱Twitter 2020年5月15日)
- ↑ @testing_box(認定ジャッジ運営の質問箱Twitter 2020年6月7日)
- ↑ 『イコリア』の目 その1(Making Magic 2020年4月20日)
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 120 ダメージ
- 120.4 ダメージは4つの手順で処理される。
- 120.4a まず、与えるダメージを発生させる効果に、パーマネントに与える余剰のダメージを代わりに他のパーマネントやプレイヤーに与えると明記されていた場合、そのダメージのイベントはそのように変更される。その1つ目のパーマネントがクリーチャーである場合、余剰のダメージとは、そのクリーチャーが既に負っているダメージや同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮して、致死ダメージ(rule 120.6 参照)を超えるダメージのことである。クリーチャーが受けるダメージの発生源が接死を持つなら、そのダメージのうち1点を超える分は余剰のダメージである(rule 702.2 参照)。その1つ目のパーマネントがプレインズウォーカーである場合、余剰のダメージとは、同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮してそのプレインズウォーカーの忠誠度を超えるダメージの量のことである。その1つ目のパーマネントがバトルである場合、余剰のダメージとは、同時に受ける他の発生源からのダメージを考慮してそのバトルの守備値を超えるダメージの量のことである。その1つ目のパーマネントがバトルやクリーチャーやプレインズウォーカーのうち複数のカード・タイプを持つ場合、余剰のダメージはそれらそれぞれのカード・タイプについて計算した中の最大の値になる。
- 120.4b 次に、置換効果や軽減効果によって修整された後でダメージを受ける(rule 614〔置換効果〕、rule 615〔軽減効果〕参照)。ダメージを受けたことによって誘発する能力はこの時点で誘発し、スタックに積まれるのを待つ。
- 120.4c 3番目に、受けたダメージが結果に変換され、その結果(ライフの喪失やカウンターなど)に影響を及ぼす置換効果によって修整される。
- 120.4d 最後に、ダメージのイベントが発生する。
- 120.4 ダメージは4つの手順で処理される。
- 120 ダメージ
引用:総合ルール 20231117.0
- 1 ゲームの考え方
- 120 ダメージ
- 120.10 誘発型能力の中には、パーマネントが余剰のダメージを受けているかどうかを見るものがある。それらの能力は、そのパーマネントが1つ以上の発生源からダメージを受けた後で見る。それらの発生源が合計でクリーチャーの致死ダメージを超えるダメージをそのクリーチャーに与えていたなら、そのクリーチャーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でプレインズウォーカーの忠誠度を超えるダメージをそのプレインズウォーカーに与えていたなら、そのプレインズウォーカーに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。それらの発生源が合計でバトルの守備値を超えるダメージをそのバトルに与えていたなら、そのバトルに与えた余剰のダメージは、その差に等しい量である。そのパーマネントがクリーチャーやプレインズウォーカーやバトルのうち複数のカード・タイプを持つ場合、そのパーマネントに与えた余剰のダメージは、それが持つカード・タイプそれぞれについて計算した中の最大の値である。
- 120 ダメージ