闇の取り引き/Dark Bargain
提供:MTG Wiki
(版間での差分)
(5人の利用者による、間の8版が非表示) | |||
3行: | 3行: | ||
[[黒]]によくある[[ライフ]]を犠牲に[[手札]]を増やす[[呪文]]。過去のカードでは[[苦々しい天啓/Bitter Revelation]]に近い。 | [[黒]]によくある[[ライフ]]を犠牲に[[手札]]を増やす[[呪文]]。過去のカードでは[[苦々しい天啓/Bitter Revelation]]に近い。 | ||
− | + | [[ライブラリー]]を3枚掘り進めながら質の高い手札を得られる[[インスタント]]であり、登場時点の[[スタンダード]]で使われている[[天才の片鱗/Glimmer of Genius]]と比較しても遜色のない性能。[[墓地]]を[[肥やす|肥やせる]]点も様々なカードと[[シナジー]]を形成でき、[[青]]を使わない[[コントロールデッキ|コントロール]]を組むなら一考に値する良[[コモン]]。 | |
+ | |||
+ | [[リミテッド]]では、4マナとやや[[重い|重め]]ながらも[[カード・アドバンテージ]]を得られる呪文であり有用。特に[[除去]]や[[フィニッシャー]]が少ないデッキでは、それらを探し当てる助けになる。[[菌類の勢力範囲/Fungal Plots]]や[[ウルザの秘本/Urza's Tome]]など、墓地に落としたカードを利用できる構成にできればなお良い。 | ||
+ | |||
+ | *[[夜の囁き/Night's Whisper]]などといった過去の類似カードと異なり、ドローの代償が「[[ライフ]]を[[失う]]([[ライフロス]])」ではなく「[[ダメージ]]」になっているのが特徴。これはルールを単純にする試みの一環である<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-ends-dominaria-part-2-2018-05-28 Odds & Ends: Dominaria, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0030596/ こぼれ話:『ドミナリア』 その2](Making Magic [[2018年]]5月28日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | ||
+ | **当然だが、ダメージ[[軽減]]効果を利用することでライフの喪失を防ぐことが可能。リミテッドでは、これに[[対応して]][[治癒の恩寵/Healing Grace]]を[[唱える]][[プレイング]]を覚えておくと役に立つかも。また、[[魂火の大導師/Soulfire Grand Master]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]していればこれ自体が[[絆魂]]を持つためダメージが帳消しになる。 | ||
==ストーリー== | ==ストーリー== | ||
− | {{Gatherer|id=444316}}と[[フレイバー・テキスト]]には、[[アーボーグ/Urborg]]の[[沼]]の[[スピリット|精霊]]が、怪しげな品物を[[陰謀団/The Cabal]]の[[騎士]]に売り付ける場面が描かれている。[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の黒における「取り引き/''Bargain''」というと[[ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain|邪悪な存在との契約・取引]]を想像するが、この場合は本当に「[[Wikipedia:ja:バーゲンセール|バーゲンセール]]」のような意味のようだ。 | + | [[ドミナリア]]版の{{Gatherer|id=444316}}と[[フレイバー・テキスト]]には、[[アーボーグ/Urborg]]の[[沼]]の[[スピリット|精霊]]が、怪しげな品物を[[陰謀団/The Cabal]]の[[騎士]]に売り付ける場面が描かれている。[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の黒における「取り引き/''Bargain''」というと[[ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain|邪悪な存在との契約・取引]]を想像するが、この場合は本当に「[[Wikipedia:ja:バーゲンセール|バーゲンセール]]」のような意味のようだ。 |
*[[ドミナリア]]のリードアートディレクターの[[Mark Winters]]は、危険で不気味なものはチャーミングでもあるというアイディアを、[[Wikipedia:ja:マイク・ミニョーラ|マイク・ミニョーラ]]や[[Wikipedia:ja:宮崎駿|宮崎駿]]の要素を混ぜて黒のフレーバーに与えたかったと語っている<ref>[https://youtu.be/YpK0fNBvozM?t=8m19s [PV]Access Magic :『ドミナリア』第1話](動画 Youtubeマジック:ザ・ギャザリング公式チャンネル)</ref>。 | *[[ドミナリア]]のリードアートディレクターの[[Mark Winters]]は、危険で不気味なものはチャーミングでもあるというアイディアを、[[Wikipedia:ja:マイク・ミニョーラ|マイク・ミニョーラ]]や[[Wikipedia:ja:宮崎駿|宮崎駿]]の要素を混ぜて黒のフレーバーに与えたかったと語っている<ref>[https://youtu.be/YpK0fNBvozM?t=8m19s [PV]Access Magic :『ドミナリア』第1話](動画 Youtubeマジック:ザ・ギャザリング公式チャンネル)</ref>。 | ||
− | *フレイバー・テキストに書かれた名前はどちらもアーボーグの高名な[[Lich|リッチ/Lich]]である。[[時のらせん]]時代のキャラクターの[[ | + | *この精霊は[[団結のドミナリア]]で登場した[[窃取/Pilfer]]の{{Gatherer|id=575887}}にも描かれている。また、[[骨を積む者、リーザグ/Reezug, the Bonecobbler]]の[https://scryfall.com/card/ydmu/10/reezug-the-bonecobbler イラスト]も酷似しているが、同一人物か否かは明らかにされていない。[[アーボーグの掃除屋/Urborg Scavengers]]の{{Gatherer|id=615658}}を見る限り、同様の精霊は複数個体存在しているようだ。 |
+ | *フレイバー・テキストに書かれた名前はどちらもアーボーグの高名な[[Lich|リッチ/Lich]]である。[[時のらせん]]時代のキャラクターの[[アーボーグのラタドラビック/Ratadrabik of Urborg#ストーリー|ラタドラビック/Ratadrabik]]はともかく、[[ネビニラル/Nevinyrral]]に至っては[[アイスエイジ|氷河期]]以前のキャラクターであり、その遺物が残っているとは考えにくい。本物か疑わしい商品を熱心なセールストークで売りつけようとする姿は商魂逞しく、買い物をしている黒騎士の姿もなんだかシュールである。 | ||
+ | **後にラタドラビックは4560[[AR]]時点で存命(?)であることが明らかになったが、ネビニラルに関しては上記の通りなので胡散臭さは拭えない。 | ||
+ | {{フレイバーテキスト|「大ラタドラビックの膿疱がある。安くしとくよ。だめかい?じゃあ、ネビニラルの屍骸粉液ならいいだろう。本物だよ!」}} | ||
*[[闇取引/Dark Deal]]という非常に似た[[カード名|名前]]のカードが存在する。そちらはちゃんと(?)[[ラクシャーサ/Rakshasa|悪魔]]との取引が描かれている。({{Gatherer|id=392926}}) | *[[闇取引/Dark Deal]]という非常に似た[[カード名|名前]]のカードが存在する。そちらはちゃんと(?)[[ラクシャーサ/Rakshasa|悪魔]]との取引が描かれている。({{Gatherer|id=392926}}) | ||
− | + | ==脚注== | |
+ | <references /> | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | + | *[[カード個別評価:イコリア:巨獣の棲処]] - [[コモン]] | |
*[[カード個別評価:ドミナリア]] - [[コモン]] | *[[カード個別評価:ドミナリア]] - [[コモン]] |
2023年5月16日 (火) 03:12時点における最新版
Dark Bargain / 闇の取り引き (3)(黒)
インスタント
インスタント
あなたのライブラリーの一番上からカードを3枚見る。そのうち2枚をあなたの手札に加え、他をあなたの墓地に置く。闇の取り引きはあなたに2点のダメージを与える。
黒によくあるライフを犠牲に手札を増やす呪文。過去のカードでは苦々しい天啓/Bitter Revelationに近い。
ライブラリーを3枚掘り進めながら質の高い手札を得られるインスタントであり、登場時点のスタンダードで使われている天才の片鱗/Glimmer of Geniusと比較しても遜色のない性能。墓地を肥やせる点も様々なカードとシナジーを形成でき、青を使わないコントロールを組むなら一考に値する良コモン。
リミテッドでは、4マナとやや重めながらもカード・アドバンテージを得られる呪文であり有用。特に除去やフィニッシャーが少ないデッキでは、それらを探し当てる助けになる。菌類の勢力範囲/Fungal Plotsやウルザの秘本/Urza's Tomeなど、墓地に落としたカードを利用できる構成にできればなお良い。
- 夜の囁き/Night's Whisperなどといった過去の類似カードと異なり、ドローの代償が「ライフを失う(ライフロス)」ではなく「ダメージ」になっているのが特徴。これはルールを単純にする試みの一環である[1]。
- 当然だが、ダメージ軽減効果を利用することでライフの喪失を防ぐことが可能。リミテッドでは、これに対応して治癒の恩寵/Healing Graceを唱えるプレイングを覚えておくと役に立つかも。また、魂火の大導師/Soulfire Grand Masterをコントロールしていればこれ自体が絆魂を持つためダメージが帳消しになる。
[編集] ストーリー
ドミナリア版のイラストとフレイバー・テキストには、アーボーグ/Urborgの沼の精霊が、怪しげな品物を陰謀団/The Cabalの騎士に売り付ける場面が描かれている。マジックの黒における「取り引き/Bargain」というと邪悪な存在との契約・取引を想像するが、この場合は本当に「バーゲンセール」のような意味のようだ。
- ドミナリアのリードアートディレクターのMark Wintersは、危険で不気味なものはチャーミングでもあるというアイディアを、マイク・ミニョーラや宮崎駿の要素を混ぜて黒のフレーバーに与えたかったと語っている[2]。
- この精霊は団結のドミナリアで登場した窃取/Pilferのイラストにも描かれている。また、骨を積む者、リーザグ/Reezug, the Bonecobblerのイラストも酷似しているが、同一人物か否かは明らかにされていない。アーボーグの掃除屋/Urborg Scavengersのイラストを見る限り、同様の精霊は複数個体存在しているようだ。
- フレイバー・テキストに書かれた名前はどちらもアーボーグの高名なリッチ/Lichである。時のらせん時代のキャラクターのラタドラビック/Ratadrabikはともかく、ネビニラル/Nevinyrralに至っては氷河期以前のキャラクターであり、その遺物が残っているとは考えにくい。本物か疑わしい商品を熱心なセールストークで売りつけようとする姿は商魂逞しく、買い物をしている黒騎士の姿もなんだかシュールである。
- 後にラタドラビックは4560AR時点で存命(?)であることが明らかになったが、ネビニラルに関しては上記の通りなので胡散臭さは拭えない。
「大ラタドラビックの膿疱がある。安くしとくよ。だめかい?じゃあ、ネビニラルの屍骸粉液ならいいだろう。本物だよ!」
- 闇取引/Dark Dealという非常に似た名前のカードが存在する。そちらはちゃんと(?)悪魔との取引が描かれている。(イラスト)
[編集] 脚注
- ↑ Odds & Ends: Dominaria, Part 2/こぼれ話:『ドミナリア』 その2(Making Magic 2018年5月28日 Mark Rosewater著)
- ↑ [PV]Access Magic :『ドミナリア』第1話(動画 Youtubeマジック:ザ・ギャザリング公式チャンネル)