ポータル三国志
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+ | ==概要== | ||
+ | その名の通り[[Wikipedia:ja:三国志演義|三国志演義]]をモチーフにしており、三国志や中国に関する人物・地名・故事等が[[カード]]になっている。 | ||
「[[飛行]]」がない代わりに、このセットのみに存在する[[キーワード能力]]として「[[馬術]]」が登場している。また、三国志に登場する有名人物をカード化するにあたって、これ以前のポータルにはなかった「[[伝説のクリーチャー]]」(当時のルールでは「[[レジェンド (クリーチャー・タイプ)|レジェンド]]」)のシステムも採用されている。 | 「[[飛行]]」がない代わりに、このセットのみに存在する[[キーワード能力]]として「[[馬術]]」が登場している。また、三国志に登場する有名人物をカード化するにあたって、これ以前のポータルにはなかった「[[伝説のクリーチャー]]」(当時のルールでは「[[レジェンド (クリーチャー・タイプ)|レジェンド]]」)のシステムも採用されている。 | ||
− | * | + | *舞台が[[多元宇宙/Multiverse]]内の一[[次元/Plane]]ではなく、地球上の中国になっている。このような例は[[マジック]]のセットでは初。 |
**世界観が他のセットとあまりに異なるために、[[同型再版]]が非常に多い。 | **世界観が他のセットとあまりに異なるために、[[同型再版]]が非常に多い。 | ||
− | **また、既存のカードを単に伝説のクリーチャーにしたり、飛行を馬術に変換しただけのカードも多い。例としては、[[呉の将軍 呂蒙/Lu Meng, Wu General]]など。 | + | **また、既存のカードを単に伝説のクリーチャーにしたり、飛行を馬術に変換しただけのカードも多い。例としては、[[大気の精霊/Air Elemental]]→[[呉の将軍 呂蒙/Lu Meng, Wu General]]など。 |
− | * | + | **遥か後年に登場した[[ユニバースビヨンド]]の先駆けとも言える。 |
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− | + | ***中には、[[三顧の礼/Three Visits]]や[[堕落した廷臣/Corrupt Court Official]]のように[[カード名]]を原典と異なる意味で解釈したものも存在する。 | |
− | + | *[[2005年]]10月20日より、[[エターナル]][[環境]]で使えるようになった。 | |
+ | **これにより、同型再版の併用で最大8枚体制を取れるようになったカードが複数ある。[[レガシー]]の[[白スタックス]]での[[ハルマゲドン/Armageddon]]と[[戦の惨害/Ravages of War]]など。 | ||
*後に「[[呪禁]]」となる[[能力]]が初登場したセットでもある([[嘲笑する仙人 左慈/Zuo Ci, the Mocking Sage]]、[[道教の隠者/Taoist Hermit]])。ただし、当時は「呪禁」としてはキーワード能力化されていなかった。 | *後に「[[呪禁]]」となる[[能力]]が初登場したセットでもある([[嘲笑する仙人 左慈/Zuo Ci, the Mocking Sage]]、[[道教の隠者/Taoist Hermit]])。ただし、当時は「呪禁」としてはキーワード能力化されていなかった。 | ||
*下記の[[テーマデッキ]]を見ればわかるが、蜀が[[白]]、呉が[[青]]、魏が[[黒]]で、[[赤]]はその他の群雄や黄巾賊という風に[[色]]が割り振られている。また[[緑]]は蜀の南方に位置した南蛮勢が加入しており、その他として動物が多い。 | *下記の[[テーマデッキ]]を見ればわかるが、蜀が[[白]]、呉が[[青]]、魏が[[黒]]で、[[赤]]はその他の群雄や黄巾賊という風に[[色]]が割り振られている。また[[緑]]は蜀の南方に位置した南蛮勢が加入しており、その他として動物が多い。 | ||
+ | *パッケージ・イラストは、[[赤兎馬/Riding Red Hare]]。 | ||
+ | **[[スターター]]のパッケージには「競技用知的スポーツとして中国国家体育総局推薦」と煽り文句が書かれていた。(英語版のブースターには書かれていない) | ||
+ | *[[ブースターパック]]はカード10枚入り。内訳は[[レア]]1枚、[[アンコモン]]2枚、[[コモン]]5枚、[[基本土地]]2枚である。 | ||
*三国志ファンにも楽しんでもらうための配慮として、[[RPGマガジン]]や[[公式ハンドブック]]で、三国志の名場面ごとのデッキを構築して紹介していた。その際、カード化されていない群雄や勢力は、既存のカードを「~と見立てる」として表現されており、比較的SLG的遊び心にあふれた企画だった。 | *三国志ファンにも楽しんでもらうための配慮として、[[RPGマガジン]]や[[公式ハンドブック]]で、三国志の名場面ごとのデッキを構築して紹介していた。その際、カード化されていない群雄や勢力は、既存のカードを「~と見立てる」として表現されており、比較的SLG的遊び心にあふれた企画だった。 | ||
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− | + | ==市場での評価== | |
− | * | + | *英語版は主にオーストラリアとニュージーランド市場で売られており、北米では同時期の入門用の役割を[[スターター]]が担当していた。 |
− | * | + | *独特すぎるモチーフがゆえか、人気としては賛否両論。一部に根強い人気はあるものの、当時は公式戦で使用できなかったこともあり、全体としてはかなり需要が少なかったセットである。 |
+ | **三国志の知名度が高い日本では、これ単独での公式大会が行われるなど出回りはそこそこだったが、全世界で見るとそもそも売っていなかった地域も多かった。 | ||
+ | **当時から公式戦で使えるならもう少し売り上げが伸びたのではないかとする見方もあったが、実際エターナルで解禁されると需要が増大した。前述通りあまり売れていなかったことによる市場での品不足、[[統率者戦]]の流行などがあいまって、特に強力な一部のカードはかなりの高値で取引されるようになった。 | ||
+ | **以前のポータル系と違い[[黒枠]]ではなく最初から[[白枠]]である点、「2人対戦用スターターセット」におまけのブースターが付かずレアが含まれていない点も受けが悪かった。 | ||
+ | *日本人[[アーティスト|イラストレーター]]が[[絵|イラスト]]を描いた、初めてのセットである。もっとも、ここで参加した方々の多くは、以降のエキスパンションで二度と絵を描いていない。 | ||
+ | *「[[Wikipedia:ja:三國無双|三國無双]]」などのイケメン武将デザインが世界的に認知される前であり、特に中国人アーティストの描いたイラストは全体的に地味な絵柄が多い。 | ||
+ | **TCGとしては5年後に日本で「[[Wikipedia:ja:三国志大戦|三国志大戦]]」が、10年後に中国で「[[Wikipedia:ja:三国殺|三国殺]]」が流行した事を考えればもうちょっと攻めたイラストの方が市場受けは良かっただろうと悔やまれる。 | ||
− | == | + | ==2人対戦用スターターセット== |
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|1||[[志願民兵団/Volunteer Militia]] | |1||[[志願民兵団/Volunteer Militia]] | ||
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+ | 双方のデッキともにレアは含まれていない。 | ||
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+ | ==[[テーマデッキ]]([[構築済みデッキ]])== | ||
+ | *[[蜀/Shu]] | ||
+ | *[[呉/Wu]] | ||
+ | *[[魏/Wei]] | ||
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+ | ==デザイン== | ||
+ | {| class="wikitable" | ||
+ | |- | ||
+ | |[[デザイン・チーム]]||ヘンリー・スターン/Henry Stern (lead) | ||
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+ | |デベロップ・チーム||ヘンリー・スターン/Henry Stern (lead) | ||
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+ | |アート・ディレクター||リー・ティエ/Li Tie | ||
|} | |} | ||
==参考== | ==参考== | ||
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*[[カード個別評価:ポータル三国志]] | *[[カード個別評価:ポータル三国志]] | ||
*[[カードセット一覧]] | *[[カードセット一覧]] |
2022年5月19日 (木) 21:50時点における最新版
ポータル三国志/Portal Three Kingdoms | |
シンボル | 漢数字の「三」 |
略号 | PTK |
発売日 | 1999年5月 |
セット枚数 | 全180種類 |
ポータル三国志/Portal Three Kingdomsは、入門者向けセットであるポータル系列3番目のセット。白枠。日本語版、英語版、中国語版(繁体字・簡体字)が発売された。英語版、中国語版(簡体字)は日本語版より2ヶ月遅い1999年7月発売。
目次 |
[編集] 概要
その名の通り三国志演義をモチーフにしており、三国志や中国に関する人物・地名・故事等がカードになっている。
「飛行」がない代わりに、このセットのみに存在するキーワード能力として「馬術」が登場している。また、三国志に登場する有名人物をカード化するにあたって、これ以前のポータルにはなかった「伝説のクリーチャー」(当時のルールでは「レジェンド」)のシステムも採用されている。
- 舞台が多元宇宙/Multiverse内の一次元/Planeではなく、地球上の中国になっている。このような例はマジックのセットでは初。
- 世界観が他のセットとあまりに異なるために、同型再版が非常に多い。
- また、既存のカードを単に伝説のクリーチャーにしたり、飛行を馬術に変換しただけのカードも多い。例としては、大気の精霊/Air Elemental→呉の将軍 呂蒙/Lu Meng, Wu Generalなど。
- 遥か後年に登場したユニバースビヨンドの先駆けとも言える。
- 幾つかのカードは後年のセットにも再録されているが、その際イラストやフレーバーテキストは基本的にマジックの世界観に合わせて書き下ろされている。
- 中には、三顧の礼/Three Visitsや堕落した廷臣/Corrupt Court Officialのようにカード名を原典と異なる意味で解釈したものも存在する。
- 2005年10月20日より、エターナル環境で使えるようになった。
- これにより、同型再版の併用で最大8枚体制を取れるようになったカードが複数ある。レガシーの白スタックスでのハルマゲドン/Armageddonと戦の惨害/Ravages of Warなど。
- 後に「呪禁」となる能力が初登場したセットでもある(嘲笑する仙人 左慈/Zuo Ci, the Mocking Sage、道教の隠者/Taoist Hermit)。ただし、当時は「呪禁」としてはキーワード能力化されていなかった。
- 下記のテーマデッキを見ればわかるが、蜀が白、呉が青、魏が黒で、赤はその他の群雄や黄巾賊という風に色が割り振られている。また緑は蜀の南方に位置した南蛮勢が加入しており、その他として動物が多い。
- パッケージ・イラストは、赤兎馬/Riding Red Hare。
- スターターのパッケージには「競技用知的スポーツとして中国国家体育総局推薦」と煽り文句が書かれていた。(英語版のブースターには書かれていない)
- ブースターパックはカード10枚入り。内訳はレア1枚、アンコモン2枚、コモン5枚、基本土地2枚である。
- 三国志ファンにも楽しんでもらうための配慮として、RPGマガジンや公式ハンドブックで、三国志の名場面ごとのデッキを構築して紹介していた。その際、カード化されていない群雄や勢力は、既存のカードを「~と見立てる」として表現されており、比較的SLG的遊び心にあふれた企画だった。
[編集] 市場での評価
- 英語版は主にオーストラリアとニュージーランド市場で売られており、北米では同時期の入門用の役割をスターターが担当していた。
- 独特すぎるモチーフがゆえか、人気としては賛否両論。一部に根強い人気はあるものの、当時は公式戦で使用できなかったこともあり、全体としてはかなり需要が少なかったセットである。
- 日本人イラストレーターがイラストを描いた、初めてのセットである。もっとも、ここで参加した方々の多くは、以降のエキスパンションで二度と絵を描いていない。
- 「三國無双」などのイケメン武将デザインが世界的に認知される前であり、特に中国人アーティストの描いたイラストは全体的に地味な絵柄が多い。
[編集] 2人対戦用スターターセット
デッキA(30枚)
土地 (13) | その他の呪文 (5) | ||
---|---|---|---|
3 | 森/Forest | 1 | 火攻め/Fire Ambush |
5 | 山/Mountain | 1 | 強要/Coercion |
5 | 沼/Swamp | 1 | 詭計/Deception |
クリーチャー (12) | 1 | 亡霊の出現/Ghostly Visit | |
1 | 訓練された野犬/Trained Jackal | 1 | 戦場への復帰/Return to Battle |
1 | 狼の群れ/Wolf Pack | ||
1 | 黄道の猿/Zodiac Monkey | ||
1 | 独立部隊/Independent Troops | ||
1 | 山賊/Mountain Bandit | ||
1 | 反逆の軍勢/Renegade Troops | ||
1 | 黄巾賊/Yellow Scarves Troops | ||
1 | 黄道の犬/Zodiac Dog | ||
1 | 魏の近衛部隊/Wei Elite Companions | ||
1 | 魏の歩兵部隊/Wei Infantry | ||
1 | 魏の斥候/Wei Scout | ||
1 | 魏の打撃部隊/Wei Strike Force |
デッキB(30枚)
双方のデッキともにレアは含まれていない。
[編集] テーマデッキ(構築済みデッキ)
[編集] デザイン
デザイン・チーム | ヘンリー・スターン/Henry Stern (lead) |
デベロップ・チーム | ヘンリー・スターン/Henry Stern (lead) |
アート・ディレクター | リー・ティエ/Li Tie |