統治者
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[[多人数戦]]ではプレイヤーが対戦相手の[[ヘイト]]を買うことを避けるため、防御的になりすぎる傾向がある。コンスピラシー:王位争奪ではこの問題の解決策として、「プレイヤーが何らかの要素を奪い合うようにすることで、対戦相手を[[攻撃]]する動機を作る」というアイディアが採用された。奪い合うものは当初[[アーティファクト]]・[[トークン]]だったが、カードの効果で[[除去]]できないようにするため、プレイヤーの「状態」になった<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/its-another-conspiracy-2016-08-15 It's Another Conspiracy]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0017348/ さらなる策略(コンスピラシー)](Making Magic [[2016年]]8月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | [[多人数戦]]ではプレイヤーが対戦相手の[[ヘイト]]を買うことを避けるため、防御的になりすぎる傾向がある。コンスピラシー:王位争奪ではこの問題の解決策として、「プレイヤーが何らかの要素を奪い合うようにすることで、対戦相手を[[攻撃]]する動機を作る」というアイディアが採用された。奪い合うものは当初[[アーティファクト]]・[[トークン]]だったが、カードの効果で[[除去]]できないようにするため、プレイヤーの「状態」になった<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/its-another-conspiracy-2016-08-15 It's Another Conspiracy]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0017348/ さらなる策略(コンスピラシー)](Making Magic [[2016年]]8月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 | ||
− | 一方このとき、先行デザインを控えていた[[イクサラン]]でも、侵略者と先住民による資源の奪い合いを表す同じようなメカニズムが検討されていた。[[ | + | 一方このとき、先行デザインを控えていた[[イクサラン]]でも、侵略者と先住民による資源の奪い合いを表す同じようなメカニズムが検討されていた。[[本流のセット]]と[[サプリメント・セット]]のメカニズムが競合する場合は基本的に前者が優先されるが、統治者メカニズムは多人数戦にも[[フィオーラ/Fiora]]のフレイバーにもぴったりで、これに匹敵する代替メカニズムを見つけられなかったこと、またイクサランには十分なデザイン期間が残っていたことから、イクサラン側のメカニズムが変更されることになった<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/just-ixalan-part-1-2017-09-04 Just for Ix(alan), Part 1]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019463/ ただ『イクサラン』のために その1](Making Magic [[2017年]]9月4日 Mark Rosewater著)</ref>。 |
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2021年8月15日 (日) 17:27時点における版
統治者/The Monarch はゲーム中にプレイヤーが持つことのできる記号である。コンスピラシー:王位争奪で初登場し、統率者レジェンズで再登場した。
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 暗殺者(Assassin)
接死、速攻
マルチェッサ女王が戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
あなたのアップキープの開始時に、対戦相手が統治者であった場合、接死と速攻を持つ黒の1/1の暗殺者(Assassin)クリーチャー・トークンを1体生成する。
クリーチャー — ゾンビ(Zombie) クレリック(Cleric)
カストーディのリッチが戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
あなたが統治者になるたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャー1体を生け贄に捧げる。
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解説
自らに利益をもたらす「君主」の地位をめぐって争いが起きる様子を表したメカニズム。統治者になったプレイヤーは「終了ステップの開始時にカードを1枚引く」という特権を得る事ができるが、統治者を他プレイヤーが襲撃する(戦闘ダメージを与える)たびにそのプレイヤーへと統治者の座を明け渡す事になってしまう。
あなたを統治者にするカードに加え、統治者である場合にメリットを得られるカードや、逆に対戦相手が統治者である場合に強化されるカードも存在する。
特殊セットでのみ扱われているため勘違いしがちだが、カジュアル変種ルール用の特別ルールというわけではなく、どんなフォーマットでも統治者は機能する。レガシーでは宮殿の看守/Palace Jailerなどがトーナメント・シーンで使われており、パウパーではアドバンテージを得る方法が限られているため毎ターンの追加ドローはさらに強力。宮殿の歩哨/Palace Sentinelsや黒薔薇の棘/Thorn of the Black Roseがコントロールデッキで採用されている。→統治者 (デッキ)
- 「The Monarch」は統率者に音韻が似る「統治者(とうちしゃ)」と訳されているが、「支配者」「君主」といった訳の方が日本人には感覚が掴みやすかったかもしれない。栄華は長くは続かないのだ。
- 「統治」は「とうじ」とも読めるため、当事者カード(とうじしゃ)との混同にも注意。
- コンスピラシー:王位争奪および統率者レジェンズのブースターパックのトークン・カードのスロットからは、統治者を表すための注釈カードが出現する。
ルール
プレイヤーが統治者になる方法は次の3つである。
- カードの効果によって統治者となる。
- クリーチャー1体が統治者に戦闘ダメージを与えるたび、それのコントローラーが統治者になる。これは誘発型能力である。
- 統治者がゲームから除外されるなら、アクティブ・プレイヤーが統治者になる。ゲームから除外される統治者がアクティブ・プレイヤーであるなら、ターン順で次のプレイヤーが統治者になる。
同時に存在できる統治者は1人だけである。あるプレイヤーが統治者になるに際し、現在の統治者は統治者でなくなる。
統治者の終了ステップの開始時に、そのプレイヤーはカードを1枚引く。これは誘発型能力である。
- ゲームの開始時点では、どのプレイヤーも統治者ではない。効果によってあるプレイヤーが統治者になった場合、それ以降そのゲームにはちょうど1人の統治者が存在することになる。
- あなたが「統治者になる」たびに誘発する能力は、あなたが統治者でなかった場合にのみ誘発する。たとえば、カストーディのリッチ/Custodi Lichが戦場に出る際にあなたがすでに統治者であったなら、それの最後の能力は誘発しない。
- 統治者がカードを引くという誘発型能力がスタックに置かれて、その能力が解決される前に他のプレイヤーが統治者になったとしても、1人目のプレイヤーはカードを引く。
- カードを引く誘発型能力および戦闘ダメージを与えたプレイヤーが統治者になる誘発型能力のコントローラーは、誘発した時点の統治者であるプレイヤーである。これらの能力は発生源を持たない。
- 統治者は紋章ではない。
開発秘話
多人数戦ではプレイヤーが対戦相手のヘイトを買うことを避けるため、防御的になりすぎる傾向がある。コンスピラシー:王位争奪ではこの問題の解決策として、「プレイヤーが何らかの要素を奪い合うようにすることで、対戦相手を攻撃する動機を作る」というアイディアが採用された。奪い合うものは当初アーティファクト・トークンだったが、カードの効果で除去できないようにするため、プレイヤーの「状態」になった[1]。
一方このとき、先行デザインを控えていたイクサランでも、侵略者と先住民による資源の奪い合いを表す同じようなメカニズムが検討されていた。本流のセットとサプリメント・セットのメカニズムが競合する場合は基本的に前者が優先されるが、統治者メカニズムは多人数戦にもフィオーラ/Fioraのフレイバーにもぴったりで、これに匹敵する代替メカニズムを見つけられなかったこと、またイクサランには十分なデザイン期間が残っていたことから、イクサラン側のメカニズムが変更されることになった[2]。
脚注
- ↑ It's Another Conspiracy/さらなる策略(コンスピラシー)(Making Magic 2016年8月15日 Mark Rosewater著)
- ↑ Just for Ix(alan), Part 1/ただ『イクサラン』のために その1(Making Magic 2017年9月4日 Mark Rosewater著)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 720 ターンやフェイズを終了させる
- 720.1 ターンを終了させるカードが存在する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。これは通常の呪文や能力の解決(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは手順が異なる。
- 720.1a この手順が始まる前に誘発していた誘発型能力のうち、まだスタックに積まれていないものは消滅する。それらはスタックに積まれない。このルールは、この手順の間に 誘発した能力には適用されない(rule 720.1f 参照)。
- 720.1b 解決中のオブジェクトも含む、スタック上のすべてのオブジェクトを追放する。カードによって表現されていないオブジェクトが戦場や統率領域以外の領域にある場合、それは次の状況起因処理のチェック時(rule 704〔状況起因処理〕参照)に消滅する。
- 720.1c 状況起因処理をチェックする。いずれのプレイヤーも優先権を得ることはなく、誘発型能力もスタックに積まれない。
- 720.1d 現在のフェイズやステップが終了する。これが戦闘中に起こったのであれば、クリーチャーやプレインズウォーカーをすべて戦闘から取り除く。ゲームは即座にクリンナップ・ステップに移行し、現在のステップとクリンナップ・ステップの間のすべてのステップをとばす。クリンナップ・ステップ中に効果によってターンが終わる場合、新しいクリンナップ・ステップを始める。
- 720.1e ターンは終了するが、終了ステップは飛ばされるので「終了ステップの開始時に/at the beginning of the end step」の誘発型能力は誘発しない。
- 720.1f この手順中はどのプレイヤーも優先権を得ない。したがって、誘発型能力はスタックに積まれない。この手順の始まったあとで誘発型能力が誘発した場合、クリンナップ・ステップ の間に アクティブ・プレイヤーが優先権を得、プレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。その後、ターンの最終的な終了の前にもう一度クリンナップ・ステップが発生する。誘発型能力が誘発していなければ、プレイヤーはクリンナップ・ステップには優先権を得ない。rule 514 参照。
- 720.2 戦闘フェイズを終了させるカード(《平和の執行/Mandate of Peace》)が存在する。効果によって戦闘フェイズが終了する場合、呪文や能力を解決する通常の手順(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは異なり、以下の順番で処理を行う。
- 720.2a この手順前に誘発していてまだスタックに置かれていない誘発型能力がある場合、それらは消滅する。それらがスタックに置かれることはない。このルールは、この手順中に誘発した能力には適用されない(rule 720.2f 参照)。
- 720.2b 解決中のオブジェクトも含む、スタック上にあるオブジェクトをすべて追放する。戦場と統率領域以外にあってカードによって表されていないオブジェクトは、次に状況起因処理がチェックされる時点で消滅する(rule 704〔状況起因処理〕参照)。
- 720.2c 状況起因処理をチェックする。プレイヤーが優先権を得ることはなく、誘発型能力がスタックに置かれることもない。
- 720.2d 現在の戦闘フェイズが終了する。クリーチャーとプレインズウォーカーをすべて戦闘から取り除く。「戦闘終了時まで/until end of combat」の効果が終了する。ゲームは直接次のフェイズ、通常は戦闘後メイン・フェイズに進み、その間のステップをすべて飛ばす。
- 720.2e 戦闘フェイズは終了するが、戦闘終了ステップは飛ばされるので「戦闘終了時に/at end of combat」の誘発型能力は誘発しない。
- 720.2f この手順の間、プレイヤーが優先権を得ることはないので、誘発型能力がスタックに置かれることはない。この手順が始まった以降に誘発した誘発型能力があれば、それらの能力は次のフェイズ の間に スタックに置かれ、その後でアクティブ・プレイヤーが優先権を得てプレイヤーは呪文を唱えたり能力を起動したりできる。
- 720.2g 戦闘フェイズでない間に、効果によって戦闘フェイズが終わる場合、何も起こらない。
- 720.1 ターンを終了させるカードが存在する。効果によりターンが終了する場合、以下のステップを順に実行する。これは通常の呪文や能力の解決(rule 608〔呪文や能力の解決〕参照)とは手順が異なる。
- 720 ターンやフェイズを終了させる